松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



色とディスプレイ

桔梗の花


外郎製の生菓子です。

中は備中白小豆こしあんです。

桔梗は秋の七草の一つに数えられます。

「萩、桔梗、女郎花、藤袴、撫子、尾花(すすきの事です)、葛」

秋の七草はこうして見てみますと、口に入るものは葛の根のでんぷん質しかありません。

一方で春の七草は

「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」

春の七草は漢字が難しいので敢えて平仮名で書きましたが、全て口に入るもの。七草がゆが良く知られていますよね。

春と秋ではこのように同じような括りにしてあっても、実際は180度真逆のものになっています。

とても面白く、興味深い事であります。

誰が選定したのでしょうか?それについても興味が尽きません。

さて、この桔梗の花を模した生菓子ですが。

お店に実際に並べますと、紫色がとても映えてしっくりきます。

夏の間、このような色合いの生菓子が無かったため、全体をこの紫の生菓子がパリッと引き締めてくれます。

色って本当に大事。

思い付いた和菓子を雑然とお店に並べるのではなく、全体像をイメージしながらつくるものを考えなければなりませんし、ディスプレイする際にもそれを頭に入れながら取り組まなければなりません。

お店に来られた際にはこの「色」と「ディスプレイ」にも目を向けていただけましたら違った視点で松屋長春を知っていただける機会となるのではないかと存じます。