松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



本日の生菓子

本日は国府宮神社にて茶会が催されます。
毎月一度の恒例茶会です。



その席でお使いいただきます本日の生菓子です。

よもぎをふんだんに使った草餅の生地に春を存分に感じさせるやわらかな色合いのきんとんをふんわりとのせました。

中心に配すのは口溶けが抜群のこしあん。

しこしことした食感を感じていただけるよう、つくっております。

国府宮神社の月釜の呈茶券は当日分もございます。ご希望のお客様は国府宮神社までお問い合わせいただきますようよろしくお願いいたします。

国府宮神社
TEL 0587-23-2121












本日はもう一つご案内です。



ご案内が遅れましたが、昨日と今日の二日間は稲沢市の銘菓ベニサザンカの販売日となります。

今月のベニサザンカは薯蕷製。中はこしあんです。

では、本日もどうぞよろしくお願いいたします。

フラットに構えて

今年のアカデミー賞作品賞は人種差別を題材にした「グリーンブック」でした。

これで、以前の受賞作「ムーンライト」に続いて黒人にスポットライトが当たる格好となり、俄然アメリカ国内での本当の意味での人種差別が取り払われてきた感があります。が、しかし実際にはなかなかそうもいかないようで。

私はアカデミー賞作品賞を受賞した作品は必ず観るようにしていますが、自分の感性に合致したものばかりではなく肩透かしを食らう事も少なくありませんが、今回は温かい涙で観終わり心がぽっかぽかになったのでアップする事にした次第です。

昨日、私の地元の映画館で「グリーンブック」が封切りになったので仕事を終えてから急いで出かけてまいりました。



時は1962年。

黒人に対する差別がまだ激しかった頃、地位と名声を手にしたピアニストと黒人よりも少しはましではあるでしょうが、黒人と同様に差別対象であったイタリア人のドライバーの友情を描き切っています。

お互いの心の変化をごく自然に表現できたのは監督の手腕もあったでしょうが、主演のヴィゴ モーテンセンと助演のマハーシャラ アリの渾身の演技がモノを言ったのではないかと思っています。

肌の色が違っても相手の事を思いやる気持ちがあれば、人種差別の壁は無くなる。実際の話を元に作られたこの映画だからこそ心に訴えるものがありました。

島国である日本ですが、人種差別以外にも様々な心の壁がある事を私たちは知っています。そんなくだらない壁など取り払って皆が楽しく幸せに生きていける世の中をあらためて望みました。

心をフラットに構えて人と接する

両親からの教育でそうなった訳ではないのかもしれませんが、いつしか私は若い頃からそんな風に生きてきたように思います。

三人の娘の父親となった今、娘たちが小さい頃からいつもそんな話を聞かせてきました。

娘たちもそれを実践してくれているように感じています。

「人を見る時は外見でなく、その人の心を見ること」

これが一番大事なのではないでしょうか。そのためには自分自身の心も綺麗に保っておく事がとても大切です。

いつも爽やかな風が吹き抜ける、そんな心の持ち主でありたいと思っています。

この「グリーンブック」、人種差別を題材にしているのですが、明るい友情が基盤となっているため、重い気持ちにはならないよう工夫されて製作されています。その理由としてささやかながらの笑いと60年代のオシャレでセンスのいい曲たちがこの映画を支えているからなのではないかと思います。

この映画での一番の観どころは実は夫婦愛であると私は思っています。精神的に成長していく主人公をそっと優しい目で見守る妻とその妻を愛して止まない夫の深い心の絆をしっかりとこの目に焼き付けました。エンディングを迎えた時の夫婦の所作に堪えていた涙が溢れ出ました。しばし、恥ずかしくて外へ出られなかったほどであります。

アカデミー賞作品賞に恥じない素敵な映画です。皆さまも是非観に行かれてはいかがでしょうか。

最後に温かい涙に包まれ、自分の人との接し方の軸を見直す機会となると思います。

春は淡い色がお似合い

和菓子に使う色。

松屋長春では何種類使っていると思われますか?

赤、青、黄の3色です。

これ以上の色もあるにはありますが、当店では使いません。

この3色の取り合わせや色の濃さなどで、季節を表現する事になるのです。

春はやはり全体的に淡い色がお好み。夏は淡い色と濃い色、どちらも使って表現しているような気がします。

秋冬は総じてシックで落ち着いた色合いのものがよろしいようで、お正月になりますと俄然明るく派手めの色合いの和菓子が多数を占めるようになってまいります。

こうして改めて文に起こしてみますと、着色というものは単純なようで奥深き事のように感じます。色一つで菓子の持つ品性やセンスも違ってくるように思うからであります。

そんな事から細心の注意を払いながら着色するようにいつも心がけています。

五感で感じる季節をこの身にまといながら着色するのです。



桜の季節が近づいてまいりました。

芽吹きの春、ポカポカ陽気の春、優しい香りの春を思い起こさせる春の淡い色合いです。