松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



笑顔になれる千代見草

千代見草



外郎製の生菓子です。

私の修行先である京都の末富ではこの千代見草をピンク色、中のあんを丹羽大納言小豆の粒あんで仕上げていますが、私は今回紫色、中は備中白小豆こしあんで仕上げました。

末富の仕事場は作業台が3台あって、私はこの中の一つを任されていました。

修行が始まった頃、作業台を転々とまわり色々な和菓子の技術を勉強させてもらいました。

最終的に餅生地と外郎生地などを専門に扱う作業台を任せれた訳です。

思い返してみますと修行時代はやはり苦しく辛い事が多かったのですが、面白いもので時間が経つにつれ、その苦しみや辛さは遥か彼方に葬り去られて淡く優しい思いだけが心に残ります。

人間というものは上手にできていて、我慢の連続で挫けそうになり闇の中を彷徨っていても、なんとかそれを乗り越えてみると、その気持ちは時が経つとともに次第に薄れていくものです。

それは長く生きて経験を重ねていきますと、わかるものなんですね。

やっと私は少しそれがわかったところです。

今日、こうした事柄を書きましたのは天災で苦しまれておられる方々へ、また現在心を病んで苦しまれておられる方々へのメッセージの意味合いも込めました。

「明日もまた太陽は昇る」

今は笑顔でつくることが出来るようになった優しい思い出の千代見草です。

今週土曜日です

毎年恒例の羽二重餅の特別販売が今年も近づいてまいりました。



いつもよりも多くご用意できるよう努力いたします。

日時
10月26日(土)10時〜16時

場所
一宮市総合体育館

販売商品
羽二重餅 5個入り

いつものように次女と三女と私の三人で販売いたします。

お気軽にお声掛けくださいませ。

役割

感謝の気持ちや相手の事を大切に思っている事などは、内に秘めていてもなかなか伝わらないものだと思います。

なので私は日頃から相手には行動や言葉でしっかりと表現して伝えるようにしています。

松屋長春という小さなオーケストラの一員であり、6人家族というもっと小さなオーケストラの一員である私には明確な役割があります。

それは、みんなを笑わせる事。そしてもう一つは食事です。

そのどちらも人間関係がとてもスムーズになる潤滑油のような働きがあると考えています。

今日のお昼ご飯は家族のため、松屋長春で働くパートさんたちのために和風カツカレーをつくりました。



昨日の仕事が終わってから鶏ガラで2時間出汁を取り、同時に昆布からも出汁を取りました。



それに豚肉と玉ねぎを飴色になるまで炒めて合わせました。



ここまでが昨日の仕込み。

お昼前にあらためてスライスした玉ねぎを合わせて食感が残るようにしました。

そして、今年私が漬けたらっきょう。



感謝の気持ち、大切に思う気持ちをこのカレーにのせて、たくさん食べてもらいました。

今日のカレーライスがまたいい潤滑油になったらいいな。