松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



お引き渡し準備完了しました

朝からバタバタです。

新宿タカシマヤで本日販売予定の羽二重餅5個入り100箱と季節の生菓子詰め合わせ5個入り15箱。

お引き渡し準備完了しました。

今回もなんとか無事にご準備できてほっとしております。

いつもの事ですが、生菓子詰め合わせのお写真はご購入されますお客様が箱を開ける楽しみが無くなってしまいますためアップしませんが、5種類の生菓子のご紹介だけ。



外観はこのように仕上げてあります。



新宿タカシマヤさんに荷物をお預けしてから東京へ到着して、販売まではまだまだ時間がかかる事が予想されますが、販売開始まで今しばらくお待ち下さいませ。

本日も関東のお客様とのご縁がありました事、本当に嬉しく思っております。

松屋長春の生菓子、気に入っていただけるといいなぁ。

風のあつまるところ

「風のあつまるところ」

木枯しが吹きつけるような、風が強くて寒い朝となりました。

うら寂しいイメージの季節でありますが、私はジャズが似合うような、お洒落をして出かけたくなるような、そんなプラスのイメージしか持っていません。

なぜか大好きな季節なんですよね。

表題の「風のあつまるところ」には落ち葉が幾重にも重なります。小さかったころ、色々な落ち葉が重なった中にどんぐりの実などを見つけたり、色や形の違う落ち葉を見比べたりしたものです。

水分を含まない乾いた落ち葉のシャワーなんかも喜んで浴びていたのを昨日のことのように思い出します。

日本料理や和菓子の世界には「吹き寄せ」という言葉があります。北風に集められた木々の葉を料理や和菓子で表現したものを「ふきよせ」としてご提供するのです。

日本人にはこの季節感がとても重要であり、和菓子職人としての私が気をつけている最重要項目でもあります。

そんなことから松屋長春では和洋折衷に傾倒せず、昔から続くトラディショナルな和菓子を探求しているのです。

前置きは長くなりましたが



本日ご紹介の蒸し菓子「木枯し」です。

軽羹製の生地に丹波大納言小豆の粒あん。そして先日ご紹介しました大徳寺納豆を頂にちりばめてあります。

決して派手ではないながらも、落ち着いた日本的な美を追求したつもりです。

新しい発見がありました

干し柿を裏ごしして羽二重餅の中に閉じ込めました。



わかりにくいかもしれませんが、切断面の写真です。



干し柿の裏ごししたものの写真がこちら。



以前は干し柿をダイス状に切ってあんの中や生地の中に入れたり、この裏ごしした干し柿をあんの中に混ぜ込んだりしていました。

が、しかし今回初めて試みたこのスタイルが一番美味しく、また柿のフレイバがダイレクトに伝わってくる事がわかりました。

今まで柿や干し柿は甘みはあれど、酸味は皆無であると私は思っていました。しかし、備中白小豆のこしあんと一緒に羽二重餅に抱き込ませますと、不思議なことに柿のほのかな酸味を感じる事ができました。

新しい発見です。

甘み、酸味、そして香りが上手に羽二重餅と溶け合ってくれています。