松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



風のあつまるところ

「風のあつまるところ」

木枯しが吹きつけるような、風が強くて寒い朝となりました。

うら寂しいイメージの季節でありますが、私はジャズが似合うような、お洒落をして出かけたくなるような、そんなプラスのイメージしか持っていません。

なぜか大好きな季節なんですよね。

表題の「風のあつまるところ」には落ち葉が幾重にも重なります。小さかったころ、色々な落ち葉が重なった中にどんぐりの実などを見つけたり、色や形の違う落ち葉を見比べたりしたものです。

水分を含まない乾いた落ち葉のシャワーなんかも喜んで浴びていたのを昨日のことのように思い出します。

日本料理や和菓子の世界には「吹き寄せ」という言葉があります。北風に集められた木々の葉を料理や和菓子で表現したものを「ふきよせ」としてご提供するのです。

日本人にはこの季節感がとても重要であり、和菓子職人としての私が気をつけている最重要項目でもあります。

そんなことから松屋長春では和洋折衷に傾倒せず、昔から続くトラディショナルな和菓子を探求しているのです。

前置きは長くなりましたが



本日ご紹介の蒸し菓子「木枯し」です。

軽羹製の生地に丹波大納言小豆の粒あん。そして先日ご紹介しました大徳寺納豆を頂にちりばめてあります。

決して派手ではないながらも、落ち着いた日本的な美を追求したつもりです。