松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



鶏は身体にいい

私が敬愛してやまないキューバの亡きミュージシャン、コンパイセグンドが生前こんな事を言っていました。

「鶏のスープが身体に一番いい。弱った時や風邪をひいた時には効果てきめんなんだよ。鶏の足をスープにしたら特にいいんだ。」

鶏からとった出汁は他の動物系スープよりもすっきりしていますが、やはり身体には一番いいと私も信じていて、私は冷凍庫に鶏ガラ何羽かを常に保存するようにしています。

昨日は久しぶりにオーソドックスなカレーをつくりました。



お店で一緒に働いてくれるパートさんたちの分も。たっぷりとつくりました。



今回は鶏ガラ二羽に加え昆布と鰹節からも出汁をとり、和の香りが優しいカレーへと昇華させました。



玉ねぎは飴色になるまで30分以上炒めて、甘みもしっかりと出るように。



豚肉も加え、ベースが出来上がりました。

このベースに最後、人参とじゃがいもを投入して仕上げです。

最近、両親が仕事に追われて疲れが非常に溜まっています。私も風邪が治ったばかりで少し元気がありません。

このコンパイセグンドカレーで明日からまた元気になれそうです。

料理をつくる時にもこうして音楽が私にヒントを与えてくれます。

音楽は私の人生の非常に大きな部分を占める大切な相棒であります。

春の色

「春野」

そう銘打ってお店に並べました。



道明寺製で中は備中白小豆こしあんです。

緑色に少し黄色を刺しています。

この色の組み合わせは人によって持っている印象やイメージが違うと思います。

そんなところから「春野」と名前をつけたのです。

私の中のこの色合いから浮かぶものは、やはり畑一面に広がる菜花やキャベツ畑にちょうちょ。この二つがやはり一等最初に思い浮かびます。

また、たんぽぽやミモザ、チューリップやフリージアなどの春の花たちのイメージも持ち合わせています。

昔の人たちは雪解けが始まる春を現在の私たちとは比べものにならないほど心待ちにしていた事でしょう。

柔らかく温かい手に包まれたような黄緑と黄色の世界。

私たちがこの色にそんないいイメージを持っているのは、昔から引き継がれてきたDNAに深く刻み込まれているからかもしれません。

「ひちぎり」という和菓子

ひちぎりというおひなさんの生菓子をお店に並べました。



ひちぎりの由来は宮中行事。

女の子の幸せを願ってつくった餅に由来すると言われています。その際に餅を丸めずに引きちぎったままにしていた事から、この「ひちぎり」が出来上がったとされます。

お正月の花びら餅もそうですが、宮中行事に由来する和菓子は結構多いものなのです。



ひちぎりには真ん中に丹波大納言小豆の粒あんが入っています。



外の生地はこなし製。

伊吹山のよもぎをたっぷり使用しています。もちろん着色料などは使わず、よもぎだけの色で練り上げています。

なかなか言葉だけでお伝えするのは難しいですが、本当にたくさんのよもぎを使わなければこのような濃い色合いにはなりません。

当然、とても多くのよもぎを使っておりますのでよもぎの味わいも色濃く出ています。

最後に。

書くのを忘れていましたが、松屋長春の「ひちぎり」はツノの部分を引きちぎったままにせず、形を整えてお店に並べています。

理由としましては、引きちぎったままにしておきますと、その部分が特に乾きやすくなってしまい、お客様のお手元に届いてからの状態をできるだけそのまま保っておきたいと考えるが故にそうさせていただいております。

しかし、和菓子本来の意味や由来などもお知りおきいただきながらお召し上がりになって欲しいとの考えから、長々とご説明いたした次第です。