松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



とらや弥生

一昨日、長女あづきと栃木県まで行ってまいりました。








大切な用事のため訪れたのですが、無事に早く終えることができたので、私の京都の修行時代に大変お世話になった先輩が営むお店へご挨拶をと赴いた次第です。




「とらや弥生」












宇都宮市の現在の場所に移転したのが三年前との事。




以前のお店へは一度行ったことがあったのですが、新しいお店がより綺麗でより立派なお店となっていたことに大きな驚きを覚えました。




店内の写真をご紹介させてください。
















サブレとどら焼きが主力商品であると伺いましたが、末富で私たちが習ったようなステキでセンス溢れる上生菓子も数種類お店に並んでいて、その美しい和菓子を見るにつれ、末富の大旦那さんの息吹を強く感じたところです。








先輩、柿沼さんは私の辛く苦しい京都の修行時代においてオアシスのような存在であり続けてくれました。




彼は私のような修行の者たち全員の兄貴分のような立ち位置で、いつもみんなをまとめ上げてくれました。また、これが一番大切なことですが、仕事の一生懸命さや丁寧さに非常に光るものがありました。(後輩の私が偉そうに言うものではありませんね。柿沼さん、お許しください。)




彼がいてくれなければ、また他の同僚たちの支えが無ければきっと私は途中で修行を投げ出して逃げていたことでしょう。




今、思い返しても感謝しかありません。




本当に久しぶりに会うことが叶って短い時間ながらも大きな幸せをいただいて帰途につきました。




また私が一番嬉しかったのは20年ほど前の柿沼さんの結婚式以来一度もお会いできていなかった奥様とおはなし出来たことです。




変わらずお元気そうな顔を見ることができて、幸せな気持ちに包まれました。




お店に私たちの修行先である末富のOB会でいただいた、末富の包装紙でつくった扇子が飾られていたことも嬉しかったなぁ。私は大切過ぎて一度開いただけでずっと箪笥の中にしまってあります。たまにはお店にこうして飾らなければなりませんね。








最後に私の先輩のお店の詳細をご案内させてください。




お近くにお住まいの方、また栃木県まで訪れる予定のお客様、一度行かれてみてください。清潔感溢れる店内に素晴らしい和菓子がたくさん陳列されています。




「とらや弥生」




住所 〒329-1105 栃木県宇都宮市中岡本町3650ー8




電話 028-666-0530








柿沼さん、ありがとう。近いうちに必ずまた会いましょう。

完成!

土付きらっきょうを仕入れてちょうど1か月半。、




最初は土を洗い落とし綺麗にしてから塩水に浸け、発酵を促すこと2週間。




それから塩抜きして煮沸させ、酢と砂糖で本漬け。




1か月待ってやっと私のらっきょうが完成しました。








10キロを一年かけてゆっくり食べたいと思っております。




納得の仕上がりです。








もう少し漬かって飴色になったらいい感じになってくると思います。




一生懸命、手間暇かけて仕上げたものは出来上がった時の喜びもひとしおです。

遊び心

祖父が買い求めた古い古い焼印を引っ張り出して、羽二重餅に押しました。








このデザインのものでしばらくは押し通そうと思っています。




この焼印はおそらく花芯、つまりおしべとめしべを表現したものと推測していますが、今回は「夏の花火」として採用することにしました。




なぜ、最初から「花火」としてご説明しなかったかといいますと、同業者の方も読まれているからであります。




おそらく花芯を表現しているであろうものを、間違って使っていると思われたくなかったから。




そんな理由があるんです。




何事も遊び心は大切だと思います、はい。




誰が何と言おうとも、現在販売している羽二重餅の焼印は「夏の花火」なのです。