松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
あさがお
太陽が東の空から見えだす頃、朝顔がそれと歩調を合わせるように花を広げます。
ほどなくして太陽が登り切ってしまう頃には恥ずかしそうにくるくると花弁を閉じてしまいます。
朝顔は私のお気に入りの花であります。
私の仕事場の裏には昔から本当にちっちゃなオレンジ色の花を咲かせる朝顔が自生しているのですが、毎年あの可愛らしい花たちに会えるのを今かいまかと心待ちにしている自分がいます。
今年の春から裏の通路を改修するために、工事を進めてもらっているのですが、あのオレンジ色の花が芽吹いてくれるのかとても心配でなりません。
松屋長春の店頭に羽二重餅製の朝顔の花がパッと咲きました。

中は備中白小豆こしあん。
ぴーかん照りの晴れの日に、この朝顔はぴったりの和菓子ですが、まだまだ梅雨の気配が多く残る日々が続いています。
雨ばっかりの毎日で熱海や松江など被害が甚大なところも多々あるようです。
できるだけ早くの復興と被害に遭われた方々の心の平穏が少しでも訪れますように。
うたのおとうさん
娘たちがまだほんとうに小さい頃、私はよく彼女たちそれぞれに歌を歌ってきかせていました。
娘たちは三人ともNHKの番組「あかあさんといっしょ」が大好きだったので、毎朝の放映時間に仕事場で一緒にみたものです。
一番お世話になったのは速水けんたろうおにいさんと茂森あゆみおねえさんの時代だったでしょうか。

最も多く歌った曲は「どんな色が好き」と「あのねママ」です。
娘を自転車にのせて出かける時、遊びの途中。そんな時に歌うのは決まって「どんな色が好き」でした。
「どんな色が好き?赤い色が好き。一番先に無くなるよ、赤いクレヨン。」
こんな歌詞の曲ですが、娘三人のお気に入りで本当によく歌いました。
そして、娘たちに添い寝して寝かしつける時に毎日歌った曲が「あのねママ」です。
私はパパですので、ママをパパに替えて歌いました。
メロディがいいのか、歌詞が素晴らしいのか。長女は私がこの歌を歌うと毎回ホロっと涙を流して聴いていたものです。
歌詞は私が歌っていた歌詞に置き換えて書きますが、「あのねパパ、○○どうして、生まれてきたのか、知ってる?○○ねパパに会いたくて、生まれてきたんだよ。星空のどこかで、新しい命が、きらりんきらりん、生まれるその時を、そっと待ってたの、それがあなた。」
こんな感じでしょうか。○○は娘たちそれぞれの名前で歌いました。
娘たちは大人になってしまったので、長らくこの曲たちを歌ってはいなかったのですが、しっかりと覚えているものですね。メロディも歌詞も寸分違わずスラスラと出てきます。
近頃、久しぶりに娘たちが小さかった頃を思い出しながらたまに口ずさんでいます。
歌うにつれ、娘たちへの深い愛が私の中に溢れます。
いつまでも、「おかあさんといっしょ」の曲たちは私にとっても、そして娘たちにとっても忘れられない大切な曲として心の中に残っています。