松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
ぎんなん餅の続き
私の記憶が正しいならば、我が稲沢市祖父江町のぎんなん生産量は以前は日本一でありました。しかし少し前から九州のどこかの県であったと思いますが、その生産地に抜かれて現在は第二位の位置にあると思います。
間違っていましたらごめんなさい。
どちらにせよ、愛知県稲沢市の祖父江町はぎんなんの一大生産地であります。
「藤九郎」というぎんなんの品種は聞かれたことございますでしょうか。
高級な日本料理屋さんや高級焼き鳥屋さんなどで料理に使われるぎんなんは必ずと言っていいほど、祖父江のぎんなんが使われています。
私の修行先である京都、末富でも秋になるとぎんなん餅をつくります(松屋長春のぎんなん餅とは全く仕様の違うものであります)が、やはり祖父江町の「藤九郎」を使っていました。
遠い京都にいるのに自分の地元の材料を使っているのを見つけて、なんだかとても嬉しかったことを思い出します。
ぎんなん「藤九郎」のご説明が長くなってしまいましたが。
松屋長春のぎんなん餅に使うのも、この「藤九郎」の特大サイズであります。
一番大きな青いぎんなんを選びます。



それを細かくクラッシュして羽二重餅の生地に練り込んで丹波大納言小豆の粒あんをくるみます。
着色していないのに、ほんのりとぎんなんの色合いが自然に出て、優しい外観に仕上がります。
松屋長春のぎんなん餅、しばらくの間はつくり続ける予定でおります。