松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
教訓(お買い物編)
ルイスレザーってご存知ですか?
イギリスの超有名な革ジャンのお店。
著名人がこぞって着ている革ジャンのブランドです。
特にロックやパンクを中心としたミュージシャンやオートバイに乗るバイカーが好むブランドでもあります。
そのブランドの革ジャンはめちゃくちゃ高い。
だいたい20万円くらいの値段がするんです。
自分の身体に合わせてオーダー可能で、採寸して自分好みにカラーもお願いできるみたい。
オーダーしてから7カ月後にやっと手元にやってくるという、ワクワクドキドキ楽しみ満載の革ジャンなのです。
日本には直営店が東京と大阪にしかないようで。
実際にお店に行くまでに、長い間かけてあれこれイメージしてから大阪店に行きました。
ダブルライダースの「サイクロン」というモデルを買おう。少し着丈は長め、ボディはブラックで右腕をグリーンに、左腕をブルーにしようと考えていました。
店員さんに私の思いの丈をあれやこれやと溢れるようにたくさんお伝えしましたところ、「まず、実際に着てみましょう!」と相成り、着てみますと。。。。
ルイスレザーはデブの短足には似合わん。。。。
鏡に映った自分の姿を見て私は刹那にそう理解しました。
清水の舞台から飛び降りる気持ちで買いに行ったはずですが、針でつつかれた風船ように萎み切って帰ってきた次第です。
ま、夢を見られただけでもいいか。
結論!
ルイスレザーは細身でスラっとした人にお似合いのブランドです。
気になられた方は行ってみられてはいかがでしょうか。
ものすごくカッコいい革ジャンのコレクションが並んでいますよ。
ここ1、2ヶ月中にオーダーすれば、寒い時期を迎える前にちょうどいいタイミングでお手元に届くと思います。
高い買い物しなくて助かりましたが、よかったような残念だったような複雑な気分です。
教訓。
「高い買い物は特に慎重に!そして冷静に判断すべし!」
優しい色合い
薄紅色と純白に染め分けた外郎製の蒸し菓子です。
春は美しい花たちが隆盛を極める季節。
やはり優しい色合いがこの季節にはぴったりとくるようです。
木型
干菓子の打物に絶対に欠かせない道具。それば木型です。
先日絶滅危惧種の話を書きましたが、この木型の職人さんも現在絶滅の危機に瀕しています。
話に聞くところによりますと、全国で10人いるかいないか。それもご高齢の域に達していらっしゃる方がほとんどだそうです。
春の打物を少し打ちました。
左から蝶々、あやめ、水紋、つくし。
木型は彫った職人さんの癖とい言いますか、特徴がはっきり出ます。
あやめは祖父が松屋長春の創業時に買い求めたもの。当然どんな職人さんが彫ってくれたのかは知りません。
蝶々と水紋は私の先輩のお店(栃木県のとらや弥生)の近くにお住まいだった職人さんに特注したもの。先輩から聞いたのですが、残念ながらその職人さんは亡くなられたそうです。
余計に大切に使っていかなければと思っています。
そしてつくしはついこの間私が買い求めたものです。
手にとってみますと、木型そのものの形も違えば実際に型打ちして出てきた干菓子の特徴も違います。
それが職人さんそれぞれの味となって出てくるのです。
これから先、新しい木型を買い求める事がどんどん困難になってくると思います。
今のうちに後世までしっかりと残るような素晴らしい道具をもっと揃えていかなければならない。そう考えているところです。
日本が誇る素晴らしい職人は各方面で活躍されていると思いますが、絶えてしまうことのないようにしっかりと繋いでいって欲しいものです。
私も和菓子職人のハシクレとしてそんな風に考えています。
松屋長春というお店も息子や娘、そのまた先の孫へと続いていけるよう努力を続けなければなりません。