松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
音楽とファッションと物語と
「私的ウディアレン考察」
愛をいっぱい込めて書きました。
お時間ございましたらお読みくださいませ。
映画鑑賞中、ずっとチャップが邪魔してきました。
その動画はInstagramのみ、ご覧いただけます。
映画「レイニーデイ、インニューヨーク」を観ました。
大好きなウディアレン監督の作品です。
大学生の若者の移り気な恋模様をウディアレン監督がスパイス充分、ピリリと効かせて描いたステキなストーリーでした。
私がウディアレン作品を愛して止まない理由にはいくつかの要素があります。
先ずは全体をまとめる音楽。
ジャズがいつもその役割を担っているのですが、今作も時には軽快に、時にはしっとりとその場面その場面に寄り添っています。それが不思議に全く邪魔に感じず、優しく歩調を合わせてくれるのです。
次になんと言ってもファッションであります。
主人公のティモシーシャラメのこれがフォーマルとカジュアルの境目コーディネートだ!と言わんばかりの服装にヤラれました。
おそらくラルフローレンのものであろう、ジャケットにシャンブレーシャツ、そしてシャツの中はジャケットとシンクロさせたような色合いのTシャツ。パンツにも同系のカラーを合わせています。シューズはコンバースのジャックパーセル。靴以外のフォーマルチックな装いに反してカジュアルな雰囲気でまとめ上げています。
タイドアップの服装も少し崩した着こなしでとてもオシャレでした。
また、ヒロイン役のエルファニングのキュートな取り合わせにもとても惹かれた次第です。
最後のセントラルパークの別れ際の場面でのエルファニングが着ていたネイティヴアメリカン柄のような素敵な上着とエレガントなハットと取り合わせには、息を呑むほどの美しさがありました。
ウディアレン最後の魅力はやはり、その物語のリズミカルさがあると思います。
いい加減ドタバタがあった挙句、最後にはしっかりまとまる。観客の心をいつまでも掴んで離しません。
私はウディアレン映画の代表作「アニーホール」を若き日に観てラルフローレンの服をこよなく愛すようになりましたが、今回観た映画によって、またファッション魂にまた火がついてしまったような気がしています。
私の中では、どっしりとした不動明王のような存在の映画監督はクリントイーストウッドですが、ウディアレンは興福寺の阿修羅像のような、洗練されたスタイリッシュな監督として私の心に焼き付いています。
ウディアレン監督。実は事情があって、ハリウッド界から葬り去られようとしています。
彼のつくった映画がこの先観られなくなるのは、とても寂しくてたまりません。
そんな意味で言いますとプライベートでも紳士であり続け、真摯に作品と向き合い続けているクリントイーストウッド監督がやはり私の中での頂点なのかもしれません。
年齢上、おそらくそうは長くないクリントイーストウッド監督。
できるだけ長く、素晴らしい作品を私たちに届けて欲しいものです。