松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
はるがすみ
「春霞」(はるがすみ)
そう銘打ってお店に並べました。
今年初の葛製の蒸し菓子であります。
昔から春と秋にはモヤや霧が出やすく、景色が少し霞んで見える様を「春霞」と呼んで季節を表現する趣深い言葉として広く知られてきました。
一説にはこの春霞は黄砂であるとの文献もありますが、どちらにせよ人が「美しい風景だなぁ」と幻想的に捉えていればそれはそれでいいのではないでしょうか。
春霞とは言えども、秋に出る霧については秋霞と言わないのがとても興味深く面白い。
なぜでしょうか?
私が考えるに、秋にはあの美しい夕焼けがあるからなのではないか。そんな風に考えたりもしますが、実際にはどうなのでしょう。
あれやこれやと思案しながら想像してみるのも楽しいものです。