松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



重陽の節句 菊の和菓子 その2

先日このブログでご紹介しました黒糖の葛菓子、宝笹もそうでありましたが、本日ご紹介いたします生菓子も私にとって、とても思い出深い和菓子です。



千代見草

菊の異称は様々あれど、私の京都の修行先は千代見草と銘打ってお店に出していました。

菊の色も様々ではありますが、こちらも決まって毎年このピンク色でつくっていました。

この季節を迎えますと、京都での生活を懐かしむ私がいます。

修行仲間は元気かなぁ。お世話になった職人さんたちは元気だろうか。などと色んな思いが頭をよぎります。

辛く苦しいばかりの修行時代でした。

幸せで楽しい事など10%もなかったように思いますが、こうして思い入れの強い和菓子に携わる頃になると何故か幸せで楽しかった事しか思い出さないものです。

重陽の節句 菊の和菓子 その1

おはようございます。

25年ぶりと言われるほどの大きな台風が東海地方を過ぎ去りました。

私のお店は停電はありませんでしたが、稲沢市の各所や私の高校の同級生が多く住む一宮市も多くの停電があったそうです。

また関西方面は大打撃を受けたようで、数人の方々がお亡くなりになられたのをニュースで知り、とても心を痛めております。

復旧の見通しが全く立たない箇所もあるようで、これから先の出来るだけ早い復旧をお祈りしています。

松屋長春は昨日、一昨日と連休を頂戴しておりました。

本日より通常営業となります。

変わらぬお付き合いをどうぞよろしくお願い致します。

9月9日は重陽の節句。これから晩秋にかけて菊の花の季節に突入いたします。



餅米を蒸し、乾燥させた昔の保存食である道明寺粉を生地に使用した生菓子のご紹介です。

中は備中白小豆こしあん。

頂に菊の花の焼印をあしらい、仕上げました。



初菊と銘打ってお店に並べております。

もちもちとした道明寺粉の食感とこしあんの口溶けの良さ、そして備中白小豆しか出せない特有の風味。

この生菓子で秋の訪れを五感で感じていただけましたら幸いです。

相手を心から信頼し、大切にすること

映画

ブランカとギター弾き







フィリピンのスラム街で親も無く育った主人公ブランカ。ひょんなことから盲目のギター弾きのおじいさんと生活を共にするようになり。。。

例え家族がいなくても家族のように一緒にいられる人がいてくれるだけで、それだけで満足。他は何もいらない。

お互いを信頼し、大切に。

心打たれて本気で泣きました。

貧乏この上なく、心まで荒んでしまった主人公が次第に人間を取り戻していく様が温かい視線で上手に描写されていました。

この映画を深く調べたところ、二つの驚きがありました。

一つは監督が日本人であったこと。

この優しい描写は日本人ならではのものであったのかもしれません。今までもスラム街を舞台にした映画は数多くありましたが、こんなにハートフルで愛に包まれた映画は無かったでしょう。

そしてもう一つは主人公ブランカ以外のほとんどのキャストは実際にスラム街の住人を毎日足を運んで選定したということ。





脇を固めるギター弾きの老人、ピーターも。またストリートチルドレンの男の子二人も監督自らスラム街で一生懸命ぴったりはまる役を探したそうです。

撮影された場所も出演者たちにも真実味があり、余計に映画自体がリアルになって引き締まったのだと思います。

私が常日頃から目指している、人の心に寄り添うこと。それを今一度この映画から教えてもらった気がします。



主人公ブランカが映画の最後に目に一杯の涙を浮かべた姿がいつまでも私の心に留まって離れません。

素晴らしいキャスト、素晴らしいストーリー。フィリピン映画に新たな名作を見つけました。

追記

盲目のギター弾き、ピーターはこの映画がベネチア映画祭で上映される数日前に亡くなったそうです。

彼もこの映画から幸せをもらった一人だったのではないでしょうか。

合掌