松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
一度だけでいいから
今年も唐衣をお店に並べることができました。

この生菓子は私の修行先、末富で習ったものです。
思い出深いこの季節の生菓子です。
末富のご主人、山口富蔵氏は生き字引と形容されるほど物知りであります。特に和菓子の事に関して言えば、右に出る者はいないと断言できます。私が何を聞いても必ず正確な答えを出して下さいました。
また、和菓子愛も同じように日本一であると私は思っています。いつも色紙や色鉛筆を近くに置きながら深く思案されていたのを今日の事であるかのようにしっかりと思い出されます。
毎日のように叱られていたのも、ついでに思い出してしまいました。
自分にも厳しいご主人でしたが、同じように修行の者たちにもとても厳しい方でありました。
叱られはしましたが、褒められた事など一度もありません。
一度だけでいいから「よく頑張ったな!」
そう褒められてみたいです。
そんな叶いもしないような淡い望みを抱きながら、今年もこの唐衣をつくっております。

この生菓子は私の修行先、末富で習ったものです。
思い出深いこの季節の生菓子です。
末富のご主人、山口富蔵氏は生き字引と形容されるほど物知りであります。特に和菓子の事に関して言えば、右に出る者はいないと断言できます。私が何を聞いても必ず正確な答えを出して下さいました。
また、和菓子愛も同じように日本一であると私は思っています。いつも色紙や色鉛筆を近くに置きながら深く思案されていたのを今日の事であるかのようにしっかりと思い出されます。
毎日のように叱られていたのも、ついでに思い出してしまいました。
自分にも厳しいご主人でしたが、同じように修行の者たちにもとても厳しい方でありました。
叱られはしましたが、褒められた事など一度もありません。
一度だけでいいから「よく頑張ったな!」
そう褒められてみたいです。
そんな叶いもしないような淡い望みを抱きながら、今年もこの唐衣をつくっております。
春ですねぇ
ポカポカと暖かい日が多くなってきました。
春ですねぇ。
春は一般的にはとても気持ちの良いイメージがありますが、実際に毎年春を迎えてみますと風が強い日が多かったり、雨の日が多かったりと気持ちの良い日があまりないような気がします。
しかし春の色は目にも優しく、目にするだけで癒され幸せな気持ちになります。昔の人は防寒着もなく、暖房器具などは当然なかったので、厳冬を耐え凌いだ後にやってくる春を今かいまかと待ち焦がれていた事でしょう。そして、芽吹きの季節を迎え、その優しい色を目にした時は皆が最高の笑顔に包まれたことでしょう。
春夏秋冬がはっきりしている日本に生まれた私たちは元来、春はそんな良いイメージを持つよう先祖から脈々と受け継がれてきたDNAとして深く刷り込まれているのかもしれませんね。
先日、配達でお邪魔した地元のお寺のもみじがとても素晴らしかったので写真を撮ってきました。


これぞ本当の若緑色。
これ以上の素敵な色はない!そう毎年感じます。
ジャストのタイミングで見られる事ができました。
また、別の場所では

藤棚の下から上を望むと葉と花が半々くらいになった桜を見る事ができました。
藤の花は蕾から花へ、そして桜は桜花は満開から葉桜へと姿を変える。。
一瞬しか見られない花から花への移ろいは華やかではなかったですが、わびさびのような落ち着いた美しさがあるように私には思えました。
あくせくした世の中では遠く彼方へ忘れ去られてしまいそうな、どこにでもあるような風景ですが、私はこのような風景が私たちにはやはり非常に大切であると思っています。いつまでも守っていきたい日本の春の風景です。
話は変わりますが、

フランスが誇る世界文化遺産、ノートルダム大聖堂が先日火事の被害に遭ってしまいました。
外壁はなんとか残りましたが、中のパイプオルガンやステンドグラスなどは消失してしまいました。かろうじて残った十字架が何とも悲しげでした。

ノートルダム大聖堂のステンドグラスです。
幻想的で美しいステンドグラス。このステンドグラスも一瞬て無くなってしまいました。
形のあるもの、いつかは壊れて無くなる。知っていても実際に目の当たりにすると胸が痛くなります。
完全修復とはいかないまでも、少しでも前の状態に近くなればいいなと切に願っています。
世界文化遺産や世界自然遺産などは一旦登録されても保存が困難になり、存続ができなくなるところも少なくないようです。
人間の知恵や努力でつくられたもの、美しい自然、この先もずっと守らなければならない大切な遺産です。
春ですねぇ。
春は一般的にはとても気持ちの良いイメージがありますが、実際に毎年春を迎えてみますと風が強い日が多かったり、雨の日が多かったりと気持ちの良い日があまりないような気がします。
しかし春の色は目にも優しく、目にするだけで癒され幸せな気持ちになります。昔の人は防寒着もなく、暖房器具などは当然なかったので、厳冬を耐え凌いだ後にやってくる春を今かいまかと待ち焦がれていた事でしょう。そして、芽吹きの季節を迎え、その優しい色を目にした時は皆が最高の笑顔に包まれたことでしょう。
春夏秋冬がはっきりしている日本に生まれた私たちは元来、春はそんな良いイメージを持つよう先祖から脈々と受け継がれてきたDNAとして深く刷り込まれているのかもしれませんね。
先日、配達でお邪魔した地元のお寺のもみじがとても素晴らしかったので写真を撮ってきました。


これぞ本当の若緑色。
これ以上の素敵な色はない!そう毎年感じます。
ジャストのタイミングで見られる事ができました。
また、別の場所では

藤棚の下から上を望むと葉と花が半々くらいになった桜を見る事ができました。
藤の花は蕾から花へ、そして桜は桜花は満開から葉桜へと姿を変える。。
一瞬しか見られない花から花への移ろいは華やかではなかったですが、わびさびのような落ち着いた美しさがあるように私には思えました。
あくせくした世の中では遠く彼方へ忘れ去られてしまいそうな、どこにでもあるような風景ですが、私はこのような風景が私たちにはやはり非常に大切であると思っています。いつまでも守っていきたい日本の春の風景です。
話は変わりますが、

フランスが誇る世界文化遺産、ノートルダム大聖堂が先日火事の被害に遭ってしまいました。
外壁はなんとか残りましたが、中のパイプオルガンやステンドグラスなどは消失してしまいました。かろうじて残った十字架が何とも悲しげでした。

ノートルダム大聖堂のステンドグラスです。
幻想的で美しいステンドグラス。このステンドグラスも一瞬て無くなってしまいました。
形のあるもの、いつかは壊れて無くなる。知っていても実際に目の当たりにすると胸が痛くなります。
完全修復とはいかないまでも、少しでも前の状態に近くなればいいなと切に願っています。
世界文化遺産や世界自然遺産などは一旦登録されても保存が困難になり、存続ができなくなるところも少なくないようです。
人間の知恵や努力でつくられたもの、美しい自然、この先もずっと守らなければならない大切な遺産です。
絵画の魅力
4月9日から名古屋市美術館で
印象派からその先へ 世界に誇る石野石膏コレクション
を見にいってきました。


世界的にも著名な画家たちの作品が72点も一度に見られるという事で、とても興奮した次第です。
前にもこのブログで書きましたが、私は美術館や博物館巡りが大好きなのですが月曜日が休館のところがほとんどでそれが松屋長春の定休日と重なるため、なかなか出向く事が叶わなかったのですが、たまたま4月9日の初日に時間が取れたためゆっくりと芸術と相対する事ができました。
有名な絵画はわざわざ外国へ出向かなければなりません。こちら側主導で絵画を見るには時間を取って出かける時間が必要です。しかし運良く地元で著名な画家の展示会があるならば、それほど苦労せずとも見る事が出来るため、時間を割いてでも見に行かなければならないと考えています。
また、絵画は特別な出会いだとも思っています。タイミングが合わなければ一度見た絵画にはこの先二度と見られないかもしれません。
そんな事から私は無理矢理にでも見たい絵画には会いに行くようにしているのです。
前置きが長くなりましたが、今回展示されていた作者。良く聞く人を挙げてみますと
モネ、ピカソ、ピサロ、ルノワール、シャガール、マティス、ルソー、ブラック、ミレー、マネ、セザンヌ、ゴッホ、ドガ、シスレー等々。
どなたもこの画家たちの名前はほとんど聞かれた事があると思います。
私が今回、特に印象に残ったものを少しご紹介いたします。

エドガー ドガ 踊り子たち

ルノワール 庭で犬を膝にのせて読書する女

カミーユ ピサロ ルーアンのエピスリー通り 朝 雨模様

シャガール 夢 グランドパレード

クロード モネ テムズ川のチャリングクロス橋

クロード モネ ヴェトゥイユ サンマルタン島からの眺め
今回、私が影響を受けたものは淡い優しい色合いの作品に偏っていたような気がしています。
面白いもので自分自身の置かれている状況やその時の心模様などで感性が少しずつ違ってきます。なので、いいなぁと思っていても次に見た時にはそこまで心に響かなかったりする事も少なくありません。またその逆もあります。
今回はこの淡い色合いの絵画たちに心惹かれました。また、和菓子の成形や着色などにも多くのヒントをもらえました。
この特別展ですが、5月26日まで展示されます。ご興味を持たれた方は是非ともお出かけ下さい。
追記ですが、毎度理解に苦しむのがキュビスム。ピカソやブラックが一時期特に心血を注ぎ、推し進めていた表現法がキュビスムです。何度相対してもなかなか私の感性にマッチしてくれません。
今回、キュビスムらしき作品も数点ありました。そのようなところにもご注目していただけましたら嬉しく思います。
印象派からその先へ 世界に誇る石野石膏コレクション
を見にいってきました。


世界的にも著名な画家たちの作品が72点も一度に見られるという事で、とても興奮した次第です。
前にもこのブログで書きましたが、私は美術館や博物館巡りが大好きなのですが月曜日が休館のところがほとんどでそれが松屋長春の定休日と重なるため、なかなか出向く事が叶わなかったのですが、たまたま4月9日の初日に時間が取れたためゆっくりと芸術と相対する事ができました。
有名な絵画はわざわざ外国へ出向かなければなりません。こちら側主導で絵画を見るには時間を取って出かける時間が必要です。しかし運良く地元で著名な画家の展示会があるならば、それほど苦労せずとも見る事が出来るため、時間を割いてでも見に行かなければならないと考えています。
また、絵画は特別な出会いだとも思っています。タイミングが合わなければ一度見た絵画にはこの先二度と見られないかもしれません。
そんな事から私は無理矢理にでも見たい絵画には会いに行くようにしているのです。
前置きが長くなりましたが、今回展示されていた作者。良く聞く人を挙げてみますと
モネ、ピカソ、ピサロ、ルノワール、シャガール、マティス、ルソー、ブラック、ミレー、マネ、セザンヌ、ゴッホ、ドガ、シスレー等々。
どなたもこの画家たちの名前はほとんど聞かれた事があると思います。
私が今回、特に印象に残ったものを少しご紹介いたします。

エドガー ドガ 踊り子たち

ルノワール 庭で犬を膝にのせて読書する女

カミーユ ピサロ ルーアンのエピスリー通り 朝 雨模様

シャガール 夢 グランドパレード

クロード モネ テムズ川のチャリングクロス橋

クロード モネ ヴェトゥイユ サンマルタン島からの眺め
今回、私が影響を受けたものは淡い優しい色合いの作品に偏っていたような気がしています。
面白いもので自分自身の置かれている状況やその時の心模様などで感性が少しずつ違ってきます。なので、いいなぁと思っていても次に見た時にはそこまで心に響かなかったりする事も少なくありません。またその逆もあります。
今回はこの淡い色合いの絵画たちに心惹かれました。また、和菓子の成形や着色などにも多くのヒントをもらえました。
この特別展ですが、5月26日まで展示されます。ご興味を持たれた方は是非ともお出かけ下さい。
追記ですが、毎度理解に苦しむのがキュビスム。ピカソやブラックが一時期特に心血を注ぎ、推し進めていた表現法がキュビスムです。何度相対してもなかなか私の感性にマッチしてくれません。
今回、キュビスムらしき作品も数点ありました。そのようなところにもご注目していただけましたら嬉しく思います。




