松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



雪の下から

下萌



そう名付けてお店に並べました。

下萌とは大地の下から草の芽がめぶくこと。

和菓子は想像力とそれを体現することに重きを置きます。

アンテナを張り巡らせ季節を敏感に感じ取り、それを小さな和菓子で表現するのです。

雪の下からの小さな芽吹き。生命力の強さをもこの軽羹製の蒸し菓子に凝縮しました。

暖冬が世界を脅かせている昨今。私の住む稲沢市も同じように雪とは無縁の毎日が続いています。

おそろしくもあり少し寂しい気もしますが、季節の刹那を象徴するような和菓子は作り続けなくてはなりません。

頭の中で想像しているイメージと実際の季節がマッチする世界が再び昔のように戻ってきますように。

一年で一度のレクリエーション

私がとても楽しみにしている一年で一度のレクリエーション、ワカサギ釣りへいつも仲良くしている仲間たちと連れだって入鹿池へ行ってまいりました。



私の気のおけない友人たちはフレンチ壺中天さん、懐食しばたさん、割烹ほそのさんの三人。



冬にしては比較的穏やかな一日でしたので、楽しくのんびりと笑いの絶えない釣りとなりましたが、釣果はそれほどでもなく全員で100尾程度。



ちょうど昼に釣り終えて、夜は皆で友人ご夫婦が経営するまねき寿司さんへ。



ワカサギを天ぷらと南蛮漬けにしていただきました。



この日はまねき寿司さんのちらし寿司を初めていただいたのですが、こちらも最高に美味しかったです。宝石箱のようなちらし寿司でした。



いつもの仲間たちと一年の素晴らしいスタートが切れました事、とても幸せに感じます。



みなさん、ありがとうございました。

今年も変わらず仲良くして下さい。

本日は私のステキな休日の過ごし方のおはなしでした。

初釜

本日は国府宮神社の初釜の日です。

先ほどご注文の蒸し菓子をお届けしてきたところです。



御用命の菓子は「常盤」

表千家の初釜にはこちらの常盤が使われます。

一般的には初釜には、どうしても「花びら餅」が頭に浮かぶ事でしょう。

しかし、花びら餅は裏千家由来の菓子です。

ここで、少し「常盤」のご説明をさせて下さい。

外観はなんの変哲もない薯蕷製の蒸し菓子です。しかし、割ってみますと中から備中白小豆こしあんを鮮やかな若草色に染め上げたあんが顔を見せます。これは雪の中からの草萌えを表現しているのだと今に伝えられています。

表千家、碌々斎宗匠のお好みでありました。

「常盤」はつるっとした純白の外観が常でありますが、本日ご担当の先生のご希望で金箔をハラハラと頂にあしらっており、より一層華やかに仕上がっております。

本日の茶席の当日券はもちろんございます。また、松屋長春の店頭でもこの「常盤」を本日は販売いたします。

お時間のございますお客様におかれましては、国府宮神社または松屋長春まで。

お待ちしております。