松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



ジョンレノン

本日ご紹介いたします羽二重餅製の和菓子に押印したこのデザインは、「青海波(せいがいは)」です。








同じ大きさの半円弧を規則正しく重ね並べた幾何学模様で、穏やかな波を連想させることから、「いつまでも平穏な日々が続きますように」という願いが込められています。




昔から用いられてきた「青海波」や「千鳥」、「流水」などの伝統的な紋様は、どれも実に端的で、しっかりとその本質を捉えています。そして、そのひとつひとつに人々の願いや祈りが込められているのです。




余計なものを足さず、わずかな線や形だけで意味を表現する。昔の人の感性や知恵には、本当に感心させられます。




何百年も受け継がれてきた理由が、こうした紋様を眺めていると、なんとなく分かるような気がしますよね。




私の感覚では、ジョン・レノンの描く絵にも、どこか同じものを感じます。




彼の自画像などを眺めていると、自分自身の特徴を驚くほど的確に捉えながら、使われている線はほんのわずかです。




余分なものを削ぎ落とし、本当に必要なものだけを残す。




それは、長い年月を経て受け継がれてきた日本の伝統文様にも通じる美意識なのかもしれません。




センスがいい、という言葉だけでは片付けられないものがあります。




ただただ感服させられるばかりです。