松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



錦の秋です

村雨製の蒸し菓子をドロップしました。



村雨とは突然強く降って止む雨の事。群れた雨を「むれさめ」、そこから変化して「むらさめ」となったようです。

このようにあんをそぼろ状にしたものを和菓子界では村雨というのですが、こう説明を書きましたら皆様にも合点していただけると思います。

メッシュの違う「通し」で通したあんを押し固めて蒸し上げました。

和菓子銘は「深山の錦」と名付けてお店に並んでおります。

紅葉の赤、黄、緑色の美しいグラデーション。そして刹那のうちにひらひらとその美しい葉たちが舞い落ちて今度は目にも鮮やかな絨毯を私たちに届けてくれます。

そんな景色を思い浮かべながらつくりました。

いよいよ晩秋、そして冬へと向かっていく季節です。自然が織り成す芸術を今年もこの目に焼き付けておきたいと思っています。

羽二重餅のご予約のご案内

「羽二重餅のご予約について」

おはようございます。

本日より松屋長春の一週間がまた始まります。変わらぬお付き合いをどうぞ宜しくお願い致します。

お正月が迫ってまいりますと、羽二重餅のご予約が埋まり気味となり、毎年お客様にはご不便ご迷惑をおかけしてしまいます。

ですのでいま一度、羽二重餅のご予約についてご案内させていただきます。



現在の羽二重餅の事前ご予約は12月10日まで埋まってしまいました。

ちょうど一か月先の日までご予約をお承りしております。本日お受けできますのは、12月11日と12日の二日間です。また明日には12月13日のご予約を朝8時の開店よりお受けいたします。

この先のお日にちでご購入ご希望のお客様におかれましては、お早目のご購入日の選定とお電話をお願い申し上げます。

また、ご注意点がございます。年末年始ですが、11月は30日までしかございません。したがって、12月1日に12月31日と1月1日のご予約をお承りすることとなりますので、お間違えのないよう重ねてお願いをいたします。

松屋長春は両親と私の三人で全ての和菓子をつくります。小さなお店であるが故に生産能力は微々たるものであります。なかなか全てのお客様のお手元にお届けできないのが現状であります。

その点をご理解いただけましたらとても嬉しく思います。

また、松屋長春の和菓子たちをご支持いただき本当に感謝しております。

お客様のご期待を裏切ることのないよう、精一杯頑張ります。これからも松屋長春をどうぞ宜しくお願いいたします。

では、今週も張り切ってまいります。

大好きな絵本

久しぶりに絵本を買いました。



現代日本画家、千住博さんの絵本です。



実はこの絵本、珍しい事に彼が描いた絵だけで文章はありません。

心が落ち着く、優しさに溢れた素敵な絵だけ。読み手の想像力だけで物語は進んでいくのです。

ああ、なんてロマンチックなんでしょう。

時間があるとすぐに手に取ってしまいますが、また新たな発見があり、何度読み返してもキラキラした夢のような時間を私にもたらせてくれます。

もともと、私が千住博画伯の作品を知ったのは滝の絵。





彼は滝の絵を数多く描いておりますが、静寂の中にも音と飛沫が伝わってくるほどの美しさがあるのです。

最初に作品を観たのは大徳寺聚光院の襖絵。特別展が開催されている時に直接現地へ赴きました。



狩野派の襖絵などと一緒に公開されていましたが、時間を忘れてしまうほどの美しさに言葉を失い、ただただそこに立ち竦めてしまいました。

最近では金剛峯寺の襖絵の公開もあり、より彼の名声を高めたのではないかと思います。



長野県の軽井沢には千住博美術館があります。

いつか時間を見つけてそこへ行ってみたいと思う気持ちがどんどん強くなっています。

本日は私が一番心を奪われている画家のおはなしでした。