松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
ギフト
ゴムの木をほんとうに小さな芽から育ててそろそろ二年経ちます。
私の身長の三分の二くらいの大きさまで丈夫に育ってくれました。
「育てる」こと。
なんだか知らないうちに一生懸命になっている自分がいて、冷静に考えるとそれがとっても滑稽で。
娘たちもそう。引き取って一生懸命お世話をした野良猫たちもそう。
一生懸命になっている自分が少しおかしくて、ちょっとだけ自分を褒めたくなります。
一生懸命になるうちに癒されて心が安まり、優しい気持ちになってくるから不思議です。
心身を注いで接したことで、非常に大きなギフトをもらっているのかもしれませんね。
ゴムの木は寒い季節がとっても苦手です。今年の冬は娘夫婦に預かってもらうことにしました。
昨日の夜、仕事を終えてから娘夫婦の住む部屋へお引越しをしました。

娘と息子にいっぱい可愛がってもらうんだぞ。
春になったらまた元気な姿を見せておくれ。
アダルトに
ちょうどいま、秋と冬の和菓子が混在する頃であります。
和菓子は季節先取りが常。
少し前から秋の紅葉の和菓子をつくり続けていますが、この先の冬の和菓子も忘れてはいけません。
また、そろそろクリスマスの和菓子をつくる時期にも差し掛かってきていますので、頭の中をスッキリさせてしっかりと季節に歩調を合わせてつくっていかなければと、気合いを入れ直しているところです。
晩秋から初冬、そしてクリスマスにハッピーニューイヤー。
和菓子屋にとって一年で一番めまぐるしい瞬間が今年もやってきました。
本日は冬の蒸し菓子をご紹介したいと思います。
「冬木立」

丹波大納言小豆の粒あんに時雨製の生地。
アダルトに。非常に落ち着いたシックな色合いで仕上げました。
勘違い
本日は「枯葉」、または「落ち葉」を表現した羽二重餅製の生菓子のご紹介です。

ご紹介が少し遅くなってしまいましたが、もうしばらくはお店に並べる予定でおります。
「枯葉」からイメージされるのは有名なジャズの曲。
誰もが一度は聴いたことのある、このメロディは叙情的で大人びていて大好きなジャズの曲の一つであります。
私だけかもしれませんが、「落ち葉」についてはどうしてもフランスの画家ミレーの代表作である「落穂拾い」に繋がってしまいます。
「落ち葉」と「落穂」では「おちば」と「おちぼ」で音こそ似ていれど、全く意味が違うのにです。
補足ですが、「落穂」とは刈り取りの終わった畑に落ちている糧のこと。
全く違うことなのに、ミレーの画をみて木が近くにないのにどうして落ち葉拾いなんだろう?などとテキトーさ加減満載で考えていた自分が情けなく思います。
しかし、そのような類の話は私の中では他にもたくさんあります。
勘違いっておそろしい。
恥をかく前に自分で気づいてよかった。




