松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



点と線

人に対して嘘はついてはいけない。

一度嘘をつくとそれを打ち消すための嘘を覚えておかなければならない。嘘の連鎖でいつかその嘘が相手にわかってしまうのならば、最初から嘘をつかなければ心も晴れやかでクリーンでいられる。

父が私達息子にいつも言っている言葉です。

父はいつも正直者。息子である私も尊敬に値する人間だと常々思っています。
私は今まで父のようにそうあろうと努めてきましたが、なかなか父のようには潔くなかったように感じていました。

しかし、ここ何年かの間にいつしかそれが身に着くようになり、誰彼問わずそのままの自分でいられるようになってきました。

今、どなたと接する時にも素のままのを出して正面から人と接する事ができるようになりました。

長い人生の中で、人との出会いがたくさんあります。私は今まででもどれだけ人から心を救ってもらったかわかりません。

昨日は私を黒鯛の釣りのクラブに導いてくれた恩人から7年ぶりに電話があったので、心踊らせながら出向いてきました。



幸せな、本当に幸せなご褒美でした。

7年の歳月はとても長いものでしょうが、それを忘れ去るほどの尽きない話があり、終電を逃しそうなほどたくさん話しました。
彼も父と同じく正直者で誠実な人間です。

そして私の人生を華やかで香り高いものにしてくれた恩人です。
人生を一本の線に例えると、その線上に多くの忘れられない点がいくつもあるのです。

そのいくつもの点によって私の人生は深く刻まれ、彩り豊かなものにしてもらっているのです。

一つの点でしかない出会いですが、その点が続けば線になります。太い線で結ばれるようなお付き合いを私は望みますし、そんな風に人から思ってもらえるような人であれるよう、精進していかなければならないとも強く感じた夜でした。

私は本当に幸せ者です。