松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



チーム松屋長春として考える事

ゴールデンウィークが終わり、少しホッとしたところです。
仕事も大変でしたが、娘たちの用事も重なり今回ばかりは随分こたえました。

明日、明後日は連休を頂戴いたします。歩く事が困難な次女の大学への送迎という任務もありますが、それが、済んだら少し体を休めることに徹したいと思っております。

今回のブログは最近私が特に感じること、そして接客に対する考え方を書かせていただきます。

偉そうな事を書いて申し訳ございません。お時間がございましたらお付き合いください。

今の私の役目は、ほとんどが和菓子づくりとなっております。人が足りない時にだけお店に立ち、お客様をお迎えいたします。

和菓子をつくり、販売しお客様にお召し上がりいただくところまでが和菓子屋の仕事であります。

では和菓子屋を営む事で一番大切な事は?

お客様に大きく頷いていただけるような和菓子をご提供する事であります。しかし、それと全く同じくらい大切だと思っておりますのは接客です。
ただ、綺麗で美味しい和菓子を目指したらいいのかといいますと、間違いなくNOだと思います。お客様に気持ち良くお買い物をしていただく事で全てが完結するのではないかと私は考えます。

では、最高の接客とは何なのでしょうか?

私が修行でお世話になった京都のお店では、まず京都弁でお客様とお話する事。そしてお客様には余計なお話はしない事。この二点を厳しくご指導いただきました。
恥ずかしい話ですが、私は最後まで京都弁は話せず尾張弁が抜けないままでありました。また、お客様には余計なお話はしない事。この点にとても違和感を覚え、苦しんだ思い出があります。私はお客様とは余分な会話としても、それがお客様を知る上でも自分を知っていただく上でもとても必要な事であると考えていたからです。

修行を終え、松屋長春で仕事をするようになって私は接客に対する確固たる信念が確立されました。これは長い間お店に立ち、お客様と接するようになって自分なりにわかってきたからであります。

お客様によって急いでおられる方、ゆっくりお話したいと思われていらっしゃる方、和菓子の事を詳しく尋ねてみたいと思われていらっしゃる方。様々です。これを接客する側が敏感に感じ、お客様のご要望に叶った受け応えができればまずいいのではないでしょうか。また、柔和な接客。笑顔はお互いの緊張をほぐしてくれます。こちらも肝心であります。

しかし、核心はそれだけではないと私は思っています。

迅速な包装や計算。お客様をお待たせしない事。そして間違いが無い事がとても大切であると考えています。
今までも、お客様をお待たせしてご気分を害してしまったことやお渡し忘れや詰め忘れ、そして計算間違いなどてお叱りを頂戴した事も多くございます。

包装や計算がはやく、間違いが全て無かった上でのお客様との会話のやり取り。それが全て出来たところで完成なのではないでしょうか。
せっかくの気持ちの良い接客があっても様々な間違いや長くお待たせする事があってはいけません。

現在、松屋長春は分業制を基調とした商いとなっています。そのため松屋長春で働く皆全員が同じ考え方、同じ方向を目指してお客様に喜んでお買い物にお越しいただけるお店づくりをと思っております。



私たちがお客様をお迎えする方から写真を撮りました。

毎日気を引き締めてチーム松屋長春としてお客様に私たちが出来る事。それを真剣に考えてまいりたいと思います。

お客様との素敵な関係は、友人たちとの交友と同じであると思います。
相手の側に立ち、相手の事を思うと自ずと答えは出るのではないかと考えます。

フラットな心で、正直な自分を出す。これからも変わらず私はそうありたいです。