松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



顔は心の内面を映す

おはようございます。

今回の表題の「人の顔は心の内面を映す」ですが、最近私は強くそれを感じるようになったので書くことにしました。

喜怒哀楽は当然顔に出ます。出す人ほど正直者ではないでしょうか。無理矢理感情を押し殺してポーカーフェイスを貫こうと思っていても容易いものではありません。

辛く苦しい事が続きますと、それが人相となって。またその人の身体から滲み出る雰囲気となって出るようになってきてしまいます。

私が和菓子の道に進み、五年の歳月を重ねて松屋長春に戻ってきたのですが、帰ってきて半年から一年ほどは父と喧嘩が絶えませんでした。小さな頃から父とほとんど喧嘩した事などなかったのにです。

おそらく辛く苦しい時間が長かったために、私の心の中が荒んでしまっていたのでしょう。父のせいではなく私自身が卑屈な人間になっていたのです。また、ほんの五年ばかりの修行で一人前の職人にもなっていないのにちっぽけなプライドが見えていたのだと、今思い起こすとそう感じています。

松屋長春で一緒に働くようになり、あらためて父の人柄の良さや父の職人としての偉大さを知るにつれ、次第に元の自身を取り戻しました。父へのいい意味での服従と父への尊敬の気持ちが再び私の心に灯ったからです。

あの時の私は今までの人生で一番悪い人間であったと思いますし、一番悪い顔であったと間違いなく言えます。

心に問いかけ、心を鍛え、心を安定させることが自分自身にもプラスに働く事に繋がっていくのだと思います。

私は最近の松坂大輔投手の顔が特に大好きです。



多くの方々は当然ご存知だと思いますが、彼は横浜高校の時に甲子園で全国制覇をして世間からスターとしてもてはやされました。そして西武ライオンズに入団し、素晴らしい成績を残してアメリカの大リーグに渡りました。ボストンのレッドソックスでは文句なしの活躍を見せましたが、そこがピークとなりニューヨークのメッツ、福岡ソフトバンクホークスで思ったような成績が残せず、今年中日ドラゴンズへと入団した経緯があります。

野球界でもなかなかいない大スターの1人として随分と人から持ち上げられ、もてはやされた事でしょう。そして選手として斜陽となってくると随分と人から叩かれた事でしょう。

若くして人生の浮き沈みをこれだけ経験した人はなかなかいないと思います。

しかし、彼の現在の顔は仏のような素敵な笑顔。



苦楽を超越し、高みの域に達した顔をしています。

以前の松坂投手よりも数倍、人間としての魅力を感じるのは私だけでしょうか。

彼の心は今、波一つない凪となり、それが顔の表情にも反映されているのだと思います。

これから先どれだけ長く選手として活躍できるのかわかりませんが、出来るだけ長く頑張って欲しいなと心からそう思っています。



知人を介して松坂大輔投手のサインを先日いただきました。

色々な選手のサインや有名人のサインを今までいただいた事があるのですが、松坂大輔投手のサインは私にとって特別なものとなりました。

心が揺らいだ時、心が荒んでしまった時にこのサインを見て自分への戒め、心を元のレールに戻す道筋案内として大切にしていきたいと思います。

松坂大輔投手、私が心を込めて応援する一番のスポーツ選手です。