松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
恋人よ
枯葉散る 夕暮れは
来る日の寒さをものがたり
雨に壊れたベンチには
愛をささやく 歌もない
恋人よ そばにいて
凍える私のそばにいてよ
そして一言 この別れ話が
冗談だよと 笑ってほしい
秋になるとこの歌詞が頭をよぎります。私のカラオケでの十八番であります。
五輪真弓の「恋人よ」の歌詞とメロディはどこか寂しくもあり、悲しくて暗い。
でも、なぜかすごく心の中に深く残ります。
「恋人よ」が誰もが知る名曲たる所以なのでしょう。
秋は少し寂しげで物悲しいイメージがつきまとう感じは否めません。
それはやはり植物の多くが葉を落とすからかもしれませんし、風が冬に向かってどんどん冷たくなっていくのを肌で感じるからなのかもしれません。
前置きが長くなりました。
本日ご紹介いたしますのは薯蕷製の蒸し菓子です。

徐々に色づいていく木の葉をイメージしてつくりました。
実際の色合いを忠実に再現しますと、それこそうら寂しい色になってしまいます。
少し楽しげに、少し優しいタッチで着色しました。
さといも
九月に入りますと、あっという間に十五夜がやってきます。
今年は9月21日が中秋の名月を愛でる日となります。
この日は美しい月がみられる事で広く知られていますが、今は綺麗なお月さまを眺めるだけで、昔の人々のように御供物をする習慣は薄れてしまってきているように感じています。
まぁ、そうですよね。
収穫を感謝する意味合いのある御供物は、まず収穫に携わっておられる、家に田畑のある人々の行事であります。
スーパーや八百屋さんで食材を買い求める事がほとんどの私たちにとっては無縁のものとしてだんだん忘れ去られていってしまうのかもしれません。
私の役割は十五夜の日が近づいてくると、十五夜にまつわる和菓子をつくり、その説明をできるだけ細かく記して多くの方々に広く知っていただく事であります。
地道な活動が少しでも実を結んでいって欲しいと思っています。
さて、本日ご紹介の和菓子は


「芋名月」
十五夜の別名である「芋名月」は、収穫に感謝して里芋をお供えすることからこう呼ばれています。
見たまんまですが、里芋を模してつくっています。
十五夜が過ぎる頃にはもうお店に並ばない短期間だけの和菓子です。





