松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



ほほえみ

ほほえみ

とても良い言葉だと思い、この和三盆糖の干菓子にそう名付けました。



和三盆糖は日本固有の糖です。

さとうきびから糖分を抽出し、それを練り上げて何度も何度も絞ります。

当店で使用している和三盆糖は未だに手作業で全てをこなしています。

絞る道具は木の棒と大きな石。

原始的ですが、昔からの製法をしっかりと守り続けている事が、今も昔のままの素晴らしい味を保っている証拠であると私は思っております。

誠実な商売、また頑固なまでの仕事は必ずお客様を裏切らない。私はそう信じています。

私のお店もこの会社と同じく、昔からの製法や色形を頑なに守ることを前提としております。

もちろん、味や食感を重んじて配合は日々精進しているのですが。

現在、食べ物に使う色々な添加物と同じように、和菓子界においても様々な添加物や便利なものが使われています。

そういった意味においても、松屋長春は一切使わない事を信条としております。

羽二重餅のような餅生地にも添加物を使うと、日持ちもして且つ柔らかさをいつまでも保ってくれるようなものもあります。

食べ物は作りたてのものを出来るだけ早く食べるというのが、本来ある姿なのではないでしょうか。

話は戻りますが、和菓子は日本古来から伝わる伝統的なものです。

それを出来るだけ壊さないよう、お客様にもご理解いただくとともに、後世へうまく伝えていけたらなぁと思っております。

このほほえみ、和三盆糖に粉糖や片栗粉を入れると白みが増して発色も良くなります。

知っているのですが、敢えて100%和三盆糖でつくっております。

比べて召し上がっていただくと違いがよくお分かりになると思います。

口溶けの素晴らしさ、そして和三盆糖と優しい味わいを感じていただけましたら幸いです。