松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
泣かないよりも泣いた方がいい
前にも私のブログでこの内容のおはなしをした事があると記憶していますが。
現在販売中の「わらび餅」と「うぐいす餅」に使うきな粉のおはなしです。


和菓子の業界では「泣く」という業界用語があります。
「湿り気を帯びる、少し脱水してしまう。」
そんな意味(いい意味合いでは使いません)で使うのですが。

きな粉で言いますと、少し湿り気を帯びてサラサラしなくなってしまった感じの事を指します。
研究、開発が進んだ現在は「泣かない」きな粉が販売されています。
私は研究者ではないのでどのようにつくられているかは全くわかりませんが、使ってみたところ想像通り松屋長春が求めるものとは違っていました。
やはり自然につくられて出来上がったものが一番です。
日持ちのするものは自然ではないものがたくさん投入されており、シンプルな味わいからは遠くかけ離れてしまっています。
何も投入していないごくごくシンプルなものというのは、間違いなく美味しいものだと信じてやみません。(出来立てのものをできるだけ早めに食べるという鉄則がありますが)
このようなおはなしは何度してもいいと思います。
お客様に様々な事柄を知っていただくことも大切な私たち職人の役目であります。
こんな事から、「泣かないよりも、泣いた方がいい」と私は考えます。
がんばるぞー!
蒸し器を2台同時に新調しました。

ピカピカで造りもオールステンレス。とても頑丈です。
前の蒸し器、一つは30年ほど前から使っていたものです。さすがに安全装置もなにも付いていないタイプで火力も頼りないものでした。
そしてもう一つの蒸し器は15年くらい前から使っていたもの。こちらは安全装置は付いているものの、そこにガタがきて着火自体が全くできなくなってしまいました。
こう考えますと、安全装置が機能しなくなると全く使えない今の機械の方に不安を覚えてしまうのですが、決まりは決まりなので納得するしかありません。
さて、新しい蒸し器ですが。
火力は1.5倍くらいになり、非常に強力です。
火力が強いほど蒸したものに、より火がしっかりと入って間違いなくもっと出来がいいものになるのだと確信しています。
羽二重餅もふわふわ感をそのまま残しながら、もっと歯切れの良いものに出来上がるかもしれませんね。
やる気が満ち満ちてきました。
お客様により良いものをご提供するのは私たちお店側の使命であります。
今日も頑張っていいものをつくれるように精進いたします。
がんばるぞー!
梅と木型
「重ね梅」

そう銘打ってお店に並べました。
鮮やかな朱の色合いに少し白を刺して、祖父から引き継いできた木型を押して仕上げました。
中はこしあん、生地はこなし製。
菓子器などにのせて写真を撮るのが常ですが、使用した木型とともに写真を載せてはどうだろうか?というイメージが咄嗟に沸き上がり、このような写真と相成りました。
たまには印象が変わっていいものです。
今回使用した木型は松屋長春が所有する中でも一二を争うほど私のお気に入りのものです。
現在、日本の彫り師でもこれほど精巧に彫る職人さんはいないのではないかと思います。また、使用する木材も現在ではこれほど硬くて丈夫なものはもう採れないのではないかと考えています。
この木型は娘、そして孫へとずっと使っていけるように、大事にだいじにしていかなければなりません。




