松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



贅沢な時間

映画キチガイの私ですが、最近はスケジュールが過密。その上耳の手術などで自由時間が全く無く、毎日ギチギチの生活を送っておりました。

しかし、この映画だけはどうしても行かねばと思い、重い腰を上げてレイトショー最終日に行ってまいりました。

15時17分、パリ行き

私の最も敬愛する映画監督のなかの一人、クリント イーストウッド監督作品です。

もうそろそろ88歳になる御大の作品。

俳優としても素晴らしい彼ですが、映画監督としての類い稀なる才能を遺憾なく発揮してこれまでも数多くの名作を生んできました。

彼のほとんど全ての作品を観てきた私ですが、観終わった後にとても深く考えされられるものが多く、含みを持たせたエンディングにいつも唸らされます。

高齢になっても製作意欲が湧くクリント イーストウッド俳優兼監督。とても尊敬します。

私の仕事も死ぬまで現役!と昔から承知していますので、彼のように高齢になっても意欲溢れる老人でいたいと常々考えております。

さて、映画ですが。

オランダのアムステルダムからフランスのパリへ向かう電車の中で起こったテロを物語の軸に据えています。

一番驚いたのは主人公三人が実際にテロを防いだ本人たちだった事です。また、乗客の一部も実際にその電車に乗り合わせた人たちをキャスティングしていました。

俳優としては素人の三人たちの演技はとても鬼気迫るものがあり見劣りは全くしなかった上、当事者たちでしか表現できないであろう緊迫感があって手に汗握るものでありました。

このような仕掛けを考えた監督のアイデアとカメラワーク、物語の運び方にも圧倒された次第です。

日常に潜む恐怖。いつも備えを持って過ごさなければいけない必要性とそれらに立ち向かう勇気と行動力をこの映画から強く学びました。

いつどこで何が起きるかわからない現代の世の中。そんな時に自分は何をしたらいいのかいつも考えておきなさい。そう、彼が諭してくれた気がしました。

主人公三人の生い立ちから始まり、物語の構成、そして本題へ。その流れが緻密に計算され、素晴らしい映画へと昇華しています。

これから先もクリント イーストウッド監督の映画を追い続けていきたいと思いました。

今回、私は上映中たった一人の観客でした。より集中して観られました。やはり封切り序盤の映画よりも終盤に観に行くほうがいいですね。

人生でもなかなか味わうことのできない贅沢な映画鑑賞でした。