松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



心を強く打つ家族の形 後編

家族の形は様々。

現代では核家族という構成が一番多いのではないでしょうか。

昨今、おじいちゃん、おばあちゃんもいる三世代が一緒に住む大家族の大切さをよく聞きます。
また離婚も多い事も事実で、私の家も三世代ではあれども妻だけが既に欠けてしまっています。

どんな形であろうとも、今の家族全員が安息の日々で幸せならばそれがベストな家族の形なのではないか。そうこの映画を観て感じた次第です。

実際に、私たち家族も今がベストの形だと感じています。まかり通っている一般常識やこうでなくてはならないといった堅い枠組みは気にせず、人それぞれの居心地が良いと思えるところが真に求める安息の場所なのでありましょう。


万引き家族

カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドール獲得作品です。

6人構成の家族なのですが、全員血の繋がりがありません。観進めていきますと、これは法的には決して許されるものではない事が分かってきます。しかし、真っ当な家族よりも真実の家族の形、思いやりや深い優しさがこの映画にはありました。

万引き家族と銘打った映画ではありますが、現在世の中で問題となっている事柄を提起しており、観ている我々に強く訴えかけてきます。

家族でないもの同士が相手を心から思いやり、心と心を通じ合わせる事でホンモノ以上の家族としてまとまっていく。。。

ただの映画として観るのではなく、真実の家族の形はこうでなければならないと観る者に痛みを伴いながら教えてくれます。

映画のエンディング近くに安藤サクラさんの台詞にこのようなニュアンスの言葉があります。
「腹を痛めて産んだ子でなければ母となってはいけないのか?」

ここにこの映画の核心があったように私は感じました。

虐待のニュースを良く聞きます。本当の親なのにこのような悲しい事件が後を絶ちません。では、親子でない関係でも幸せな暮らしは出来ないのでしょうか?
本当の親ならばこの映画の家族よりも、もっと深い愛情を持って接してやって欲しい!そう是枝監督は伝えたかったに違いありません。

私は今、とても幸せを感じながら毎日を送っています。それは家族皆がいい関係で平穏に毎日を過ごしている事をそれぞれが身をもって知っているからです。
娘たちも充実した日々を送っていると私にそう言ってくれています。

家族にとって何が一番なのか、何が一番幸せであるのか。それをしっかりと見極めながら生活しなさい。

この映画を観て確と受け止めました。

優しい心。思いやりの心。繋がる心。
いつもそれを忘れてはなりません。

追記

安藤サクラ、リリーフランキー、松岡茉優の三人の演技がとても自然で素晴らしかったです。特に安藤サクラさんの色っぽさと松岡茉優さんの可愛さを改めて知るきっかけとなりました。

リリーフランキーさんは完全に俳優として地位を確立した感がありましたし、樹木希林さんのいつものどっしりとした演技は見応え充分でした。

こんなところも併せてご覧いただきたい私のオススメ映画です。