松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



静寂の王様

ボサノヴァの創成期を築き上げたジョアン ジルベルトが私はとても好きで、仕事を終えてお酒を飲む時などにこのジョアンの曲をよく聴きます。

ジョアンを一躍有名にした代表曲は「イパネマの娘」ではないでしょうか。

ボサノヴァ創成期を支えた盟友、スタン ゲッツとの共作がこのアルバムです。



ボサノヴァを世界に知らしめた超有名なアルバムです。

ジョアンのアルバムの中で一番のお気に入りはこのアルバムです。



クラシックギターとささやくような彼の歌声のみの構成で、疲れた時や心を落ち着かせたい時などにしっくりとくるのではないかと思っています。

他にもこのアルバムが好きです。



どれも素晴らしい。

爪弾くギターの音色にジョアンの声が溶け合って夢見心地の境地へ私をいざなってくれます。

先日初めて知った事ですが、ジョアン ジルベルトは最初はささやくような、呟くような歌声ではなく、声を張り上げて歌っていたそうです。

ブラジルの観客は時に演奏中におはなししてしまったり騒いだりする事があったようで、声を抑えて静かに歌ってみると、一転して観客が静かになりギターと歌声に耳を傾けるようになったそうです。

発想の転換ですね。それから彼独特の歌い方が固まっていったようです。

私はありったけの彼への愛を込めてジョアン ジルベルトのことを「静寂の王様」と呼んでいます。他には誰もそう呼んではいないでしょうが。

生前、彼の晩期に東京公演がありました。チケット代金25000円と往復新幹線代を考えてみると、とても高くついてしまうこともあり、散々迷ってやめてしまったのです。

今となっては少しの後悔が残りますが、幸いにもその東京公演のDVDが発売されていたので購入した次第です。



今は会いたいと思っても叶わない夢となってしまいましたが、このDVDを時間がある時に観て癒されています。

優しく全てを包み込んでくれるメロディと歌声を皆さまにもぜひ聴いていただきたく、本日はジョアン ジルベルトの事を書きました。