松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



井の中の蛙

「井の中の蛙」という言葉がありますが、蛙にとって本当は塩っ辛い海の水を舐めるよりも、井戸の中でなにも知らずに生きてる方が幸せなのかもしれません。

蛙に例えるのは非常に失礼だし、申し訳ないとは思うのですが、今の現状にぴったりのことわざだと今日感じました。少し意味合いが変わってくるとは思いますが。

「井の中の蛙」には続きがあります。

「井の中の蛙大海を知らず」です。でも、その続きがまだあるのです。あまり知られていないかもしれませんが。

「井の中の蛙大海を知らず されど空の深さを知る」

世界中の誰もが苦しく、家に閉じこもってしまいがちでありますが、ニュースばかりに気を取られ過ぎてしまいますと元気だけが吸い取られてしまいそうです。

家の中でも色んな事に目を向けながら、楽しみや喜びを見つけながら生活しなければならないのではないでしょうか。

昨日の夜はいつものように家族のために食事をつくりました。

ニンニクと椎茸と玉ねぎとトマトと茄子のパスタ



順番に(私の料理はレシピを全く参照にしない我流なので順番が合っているのかどうかはわかりません)仕上げて完成です。料理をしながら飲む金麦もたまらなく美味しい!

家族みんなでワイワイ言いながら食べました。

狭い井戸の中からは空しか見えません。でも、その空の美しさや奥深さを知ることができます。

家に閉じこもりがちになってしまいそうな中にも色んな楽しみ方やストレス発散の仕方はあると思います。

私にはやはり家族との会話となによりも料理をつくることであります。

儚くも

雨に、風に負けてしまいそうです。

そう書きましたのは桜の花のことで、一昨日までの雨と春風特有の突風に満開の桜の花が儚くも散り行きそうだと感じました。

今、人類は桜の花と同じように危機に突入してしまいました。

しかし、桜と同じようにならないように力一杯踏ん張らなければならない大事な局面であると思います。

今がとても大切です。しっかりとウイルスをストップできるのは私たち人間一人ひとりであるのだから。

余分な事を書いてしまいました。

本日は村雨製の生菓子のご紹介です。



村雨という伝統的な和菓子の生地については以前から何度もご説明してまいりました。

お時間のございます方は松屋長春ブログのアーカイブをご参照いただけましたらと思います。

本日はまた違った側面からこの村雨という和菓子をご紹介できたらと思います。

村雨という生地のほとんどがあんが占めています。

あんをそぼろ状にして固める訳でありますが、あんだけで蒸しますと、固まる要素が何も無いためにダラダラと溶けてしまいます。

それを防ぐために、また美味しさを引き立てるために「つなぎ」と私たちが呼ぶ材料を使用します。

「つなぎ」はうるち米の粉であったり餅米の粉であったりします。蒸し上げますと、その「つなぎ」が重要な役割を果たしてくれ、しっかりとその形を留めてくれるのです。

「つなぎ」がもたらす香りや味はあんだけが醸し出すそれらとは全くニュアンスが違うものとなります。

そのようなところを、あんとはまた別物となった村雨の特別な味わいや香りを感じ取っていただけましたら幸いであります。

風にふかれて舞い散る桜の花を表現したクラシックな和菓子のご紹介でした。

花から花へ

花から花へ飛び交う蝶々の焼印をあしらいました。



丹波大納言小豆のこしあん、薯蕷製の生地をまとった蒸し菓子です。

春の色合い、春のあたたかい優しさを表現しました。

丹波大納言小豆は簡単には手に入らない小豆であります。そんな丹波大納言小豆のこしあんはもっと珍しいと思います。

なぜなら、丹波大納言小豆は皮までうまみのかたまりです。旨みのもととなる皮を捨ててしまうこしあんはなかなかそのような理由からつくらない事が多いのです。もったいなくて。

同じようなご説明文となってしまいますが、丹波大納言小豆のこしあんは北海小豆のこしあんとは違って非常に旨みと香りに長けています。(北海小豆のこしあんの良さは透き通ったスッキリした味わいとその口溶けの良さが特徴的でありますので、一概には丹波大納言小豆のこしあんが断然良いとは言えません。ただ、丹波大納言小豆の粒あんは北海小豆などの粒あんとは味も旨みも香りも大きな差があると思います。)

そんなところを口にされた際に感じ取っていただけましたら嬉しく思います。