松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
こつこつ
昨日も両親との仕事が終わってから、私だけの静かな時間がやってきました。
私の仕事の相棒は音楽。昨日はブルースの神様マディウォーターズを聴きながらじっくり仕事に取り組みました。
コツコツと仕事を積み重ねていかないと、お正月に皆さまにご披露できる和菓子がしっかり揃いません。
ここが踏ん張りどころです。

仕上げたお干菓子は「白雪糕」。「はくせつこう」と読みます。
これはいわゆる落雁のようなもので、材料としましては餅米由来の粉が主なものであります。
この独特の香りと味がお好みの方も多いのではないかと思います。
私が考える「白雪糕」の最大の特徴はその発色の良さであります。
今年は新春の色合いをグラデーションで表現し、真ん中にアクセントとして新春の代表花である梅をイメージさせる色合いで締めました。
正月の足音がコツコツ、コツコツとすぐ近くまで聞こえるようになってきました。
焦りは禁物です。じっくりじっくり自分に向き合わなければなりません。
ひとりごと
昨日は仕事を全て終えてから私一人、残業で打物を打ちました。
お正月は、こういった干菓子の準備から取り掛かるのです。
黄奈粉の香りが芳しい「福俵」、シナモンのフレイバたっぷり大人の味「松笠」、春の訪れを告げてくれる「鶯」、そして松屋長春の代表菓である「ほほえみ」と「衣かけの松」。





今日はまた別の干菓子のご用意で残業確定であります。
一人干菓子を打つと、静かな仕事場に「キーン、カコーン!」と硬い木型の高い打音が響き渡ります。
人恋しくておしゃべりな私にとっては、とても寂しい時間帯ではあるけれど、この一人ぽっちの時間が毎日続いてきますと、
「ああ、もうそろそろお正月なんだなぁ。一年はあっという間にかけ足で過ぎ去っていってしまうようになってしまった。若い頃はおじさん、おばさんが言っていた事の意味がよくわからなかったけれど、自分もそんな年齢になってしまったんだな。ああ、憎き加齢よ儚き人生よ。」
などと、大きな独り言を言うようになってきます。
そんな時に、私は一番正月を実感するのかもしれません。





