松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



ご挨拶

一年を振り返って一番嬉しかったこと。




つい先日の事ですが、たまたま店頭に用事があって歩いて行った母が「昔からお付き合いのあるお客様がいらっしゃってるわよ!」と教えてくれたので、急いでお店まで出て行ったのです。




そこには私が23歳、修行から帰ってきて店頭に立つようになってから、ずっと気さくに声をかけてくださっていたお客様がいらっしゃいました。




「もう90歳を超えてしまったがね」




そんな声を聞いて、溢れ出る涙を堪えるのに必死になってしまいました。




久しぶりにお客様のあの優しい声を聞いて感極まったのです。




お客様はいつも私に対して特に気にかけてくださっていたのですが、こうして変わらず出向いてくださってお話できたこと、本当に幸せに思います。




このお客様は祖父の時代から70年近く、ずっと松屋長春とお付き合いしてくださっています。




感謝しかございません。




最後に握手をしていただいたのですが、あまりに優しいふっくらした手の感触で。それが嬉しくて嬉しくて。胸が熱くなりました。




いつも私が申し上げている事でありますが、松屋長春はお客様の応援があってこそ存在できるお店であります。




お客様と素晴らしい関係の上でやっと商売をさせていただいているのです。




私たちはお客様に喜んでいただける和菓子を目指すだけでなく、心とこころの繋がりを一番に大切にしているつもりであります。




昔からのお客様、新たに松屋長春の事を好きになってくださいましたお客様、全てのお客様とステキな関係を構築してゆけたらと心からそう思っております。




私は今、店頭での接客から裏方の仕事にシフトチェンジしてしまいましたが、以前と全く変わることなくお客様のお声も聞きたいですし、直接お話したいという願望は持ち続けております。




裏の仕事場にはおりますが、お呼びいただけましたら喜んでお店まで参上いたします。




これからも皆さまと楽しいお話もさせてください。




本日で2021年は終わりますが、来年も変わらず仲良くお付き合いしていただけましたら幸せです。これまで以上にステキなお付き合いができたらと本気でそう思っております。




一年間、本当にお世話になりました。




鍾乳洞の石柱は100年で1センチ育つそうです。




私もそんな気持ちでじっくり、ゆっくりとお客様との関係が進んでいけたらと考えております。




また明日から新しい年が始まります。




2022年も変わらぬお付き合いの程、どうぞよろしくお願いいたします。








いつも松屋長春をお引き立てくださいまして本当にありがとうございます。