松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
ちゃいろ
昨日の夜に卵焼きをつくりました。
おそらく娘たち三人にとっては私の卵焼きが一番印象に残っているでしょう。
長女と私の二人めしです。
なんと言ったって毎日欠かすことなく娘たちのお弁当箱に入っていたのですから。
「パパがつくったお弁当、めちゃくちゃ美味しかったんだけど。。。友達の手前、全体的に茶色の料理が多くてちょっと恥ずかしかった。」
卵焼きも含めて茶色のおかずばかりだったのかな。
やっと今になって笑い話として娘たちから聞く事ができました。
娘たちは学生の頃、片親である私に対して随分と遠慮があったのでしょう。
おそらく私に対して「迷惑かけて悪い」という気持ちがあったからだと思います。
良く思い返してみると、彩りのいいものはミニトマトとブロッコリーくらい。
あとは中華料理の如くフライパンで仕上げるおかずやとんかつやコロッケなどの揚げ物が多かったように思います。
冷凍食品を娘たちに食べてもらうのを嫌った私でしたので、手づくりまではよかったのですが、美的感覚が足らなかった事だとあらためてそう反省しているところです。
しかし反省しても娘たちが成人を迎えた私にとっては、どうやっても取り返す事ができません。
あの時の私のお弁当はこの先のおまえたちのいい思い出にしておくれ。
久しぶり、いや久しぶりではないかもしれませんが、長女と二人めしは色んな話題で盛り上がって幸せなヒトトキとなりました。
我が家には「母の味」はありませんが、愛情のいっぱい詰まった「父の味」というものが今でも毎日あります。
変わらず茶色だけれど、それでいい。
今はそんな風に思っています。
さ、また今夜もごはんつくろ。