松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
泣かないよりも泣いた方がいい
前にも私のブログでこの内容のおはなしをした事があると記憶していますが。
現在販売中の「わらび餅」と「うぐいす餅」に使うきな粉のおはなしです。


和菓子の業界では「泣く」という業界用語があります。
「湿り気を帯びる、少し脱水してしまう。」
そんな意味(いい意味合いでは使いません)で使うのですが。

きな粉で言いますと、少し湿り気を帯びてサラサラしなくなってしまった感じの事を指します。
研究、開発が進んだ現在は「泣かない」きな粉が販売されています。
私は研究者ではないのでどのようにつくられているかは全くわかりませんが、使ってみたところ想像通り松屋長春が求めるものとは違っていました。
やはり自然につくられて出来上がったものが一番です。
日持ちのするものは自然ではないものがたくさん投入されており、シンプルな味わいからは遠くかけ離れてしまっています。
何も投入していないごくごくシンプルなものというのは、間違いなく美味しいものだと信じてやみません。(出来立てのものをできるだけ早めに食べるという鉄則がありますが)
このようなおはなしは何度してもいいと思います。
お客様に様々な事柄を知っていただくことも大切な私たち職人の役目であります。
こんな事から、「泣かないよりも、泣いた方がいい」と私は考えます。