松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



願いの短冊

色々な色合いの願いの短冊を抱き込ませ、夏の生菓子が出来上がりました。



今年の七夕は新型コロナウイルスの影響で自粛の動きが全国各地でも広がっていると思います。

とても寂しいことですが、希望の光だけは灯し続けていたいものです。

「来年こそは天災もなく、新型コロナウイルスも収束し、平穏で素晴らしい一年になりますように」

今年、短冊に願いを書くとしたら私はこう書きたいと思っています。

吾唯足知

久しぶりに父のリクエストでハヤシライスをつくりました。



私のこだわりは玉ねぎ。



飴色にしっかり炒めた玉ねぎと寸前に入れる玉ねぎとを使い分ける事です。

甘みの増した玉ねぎとシャキシャキした玉ねぎの食感のどちらも味わうためです。



あとはバターとグリーンピースとフレッシュなマッシュルーム。



牛肉を炒めてから投入して出来上がり。



私は東京に2年住んでいました。

その時、仲良くしていた長野県出身の和菓子屋の息子がハヤシライスとポテトサラダの組み合わせが大好きでいつも付き合わされて食べていた事を思い出しました。

いつもお互いお金が無くって、レトルトのハヤシのルーを買い、スーパーでお惣菜のポテトサラダをついでに買い込んで、彼のアパートで一緒に食べたものです。

面白いもので、今となっては自分でつくったハヤシライスの方が間違いなく手間がかかっている分美味しいに決まっていますが、あの頃食べたハヤシライスの美味しさは今でも忘れられないものです。

淡く幸せな思い出とともに残る味は、どんなに美味しい料理にも敵わないものかもしれません。



‪貧乏だったけど、それはそれでとても充足した毎日でした。‬

‪心の豊かさがあった若き日の東京生活を思い出し、幸せな気持ちに浸る事ができました。‬

‪吾唯足知です。‬

好き

花開く前の蕾のところが好き。

満開の花とはまた違った趣深さがあります。

パワーを蓄えて一気に放散させる。

そんな姿が生命力に溢れていて私は好きなのです。

本日ご紹介の和菓子は朝顔の蕾を表現した蒸し菓子です。



理髪店の看板のようなくるくるした姿が愛くるしい朝顔。

夏の間、毎朝花を開かせて夕方にはまたシュンと閉じる。

パラソルのような朝顔が私は好きです。

蕾の話で思い出しましたが、父は昔から植物をとても愛す人です。

いただいた胡蝶蘭が花を落としても、しっかり翌年にはもう一度花を咲かせるように育て上げます。

今年も父が大切にしている胡蝶蘭たちが蕾から美しい花へと姿をかえている途中です。



いただいた時の綺麗な胡蝶蘭の形はもう留めていませんが、こうして慎ましくもある胡蝶蘭の姿が好きです。

なにより植物を愛し、母を愛し、私たち息子たち三人や孫たちを愛し、世界一優しい父が私は大好きでたまりません。