松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



好き

花開く前の蕾のところが好き。

満開の花とはまた違った趣深さがあります。

パワーを蓄えて一気に放散させる。

そんな姿が生命力に溢れていて私は好きなのです。

本日ご紹介の和菓子は朝顔の蕾を表現した蒸し菓子です。



理髪店の看板のようなくるくるした姿が愛くるしい朝顔。

夏の間、毎朝花を開かせて夕方にはまたシュンと閉じる。

パラソルのような朝顔が私は好きです。

蕾の話で思い出しましたが、父は昔から植物をとても愛す人です。

いただいた胡蝶蘭が花を落としても、しっかり翌年にはもう一度花を咲かせるように育て上げます。

今年も父が大切にしている胡蝶蘭たちが蕾から美しい花へと姿をかえている途中です。



いただいた時の綺麗な胡蝶蘭の形はもう留めていませんが、こうして慎ましくもある胡蝶蘭の姿が好きです。

なにより植物を愛し、母を愛し、私たち息子たち三人や孫たちを愛し、世界一優しい父が私は大好きでたまりません。