松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



うぐいすとほととぎす

「山ほととぎす」という松屋長春定番の蒸し菓子をお店に並べました。



「どこがほととぎすなんですか?」と言われてしまいそうですが、和菓子は想像です。イメージです。

ほととぎすという鳥は灰色ですので、本物とは大違いではありますが、夏を告げる鳥の代表格であるほととぎすを銘にあててこの菓子をつくった次第です。

一方、うぐいすという鳥は漢字で書きますと「鶯」となりますが、別名「春告鳥」と呼ばれる通り、春を告げる鳥の代表格であります。

うぐいすは別名「春告鳥」と呼ばれるのに対し、ほととぎすは夏を告げる鳥の代表格であるにもかかわらず、「夏告鳥」という異称は与えられませんでした。そう考えると可哀想な鳥かもしれません。

しかし、ほととぎすはズルい鳥でもあり、カッコウのような他の鳥の巣に自分の卵をうみつける習性があるのです。うみつけ先の巣がうぐいすのものである事が多いので、あながち可愛そうとも言えませんね。

うぐいすは挽茶色で「ホーホケキョ」と鳴くのに対し、ほととぎすは灰色で「キョ キョ キョ」と鳴きます。

季節も重なるところはあれど、少しズレがあります。

よく混同されがちなこの鳥たちですが、似てもいませんし、全く種類も違うものであります。

断然、昔からうぐいすの鳴き声は珍重されて愛されてきましたが、実際にほととぎすの鳴き声を聞いてみますと、これはこれで素晴らしい歌声なのです。

ちょうど今ごろ。山などに出かけますと、うぐいすとほととぎすの鳴き声がどちらも美しく聞くことができます。

そろそろ自然が、外出が恋しくなってきました。

素敵な贈り物

名古屋市内で桜びよりというお店を営む友人から素敵な贈り物をいただきました。

いつも気にかけてもらっているのだと、こんな瞬間にあらためて気づかされます。本当に幸せなことです。

和菓子が一面に描かれた扇子と手拭い。



早速、お店に飾りました。

お店へお越しになられた時にぜひご覧いただけましたらと思います。

これらは桜びよりの店内にも飾ってあります。行かれました際には、どこにあるのか探してみてください。

ここで、桜びよりのご紹介をさせて下さい。

桜びよりはミシュランガイドにも掲載された名店です。

女将さんがつくる愛情溢れるお惣菜と目利きされた日本酒が豊富に揃っています。

ふんわりとした雰囲気に包まれて気持ちの良い時間を過ごす事ができます。

店内の写真と料理も載せさせてください。



桜びより

https://retty.me/area/PRE23/ARE63/SUB6304/100001332381/?sc_e=utm_y_sp_res_title

住所

愛知県名古屋市中区栄3-9-17ウインゼルビルB1F

電話

052-262-9133

たかちゃん、本当にいつもありがとう。

センチメンタル

私にとって一番思い入れの強い和菓子は本日ご紹介する「唐衣」なのではないかといつもそう思っています。



この唐衣(からころも)は私の修行先で習った外郎製の蒸し菓子です。

カキツバタを模した和菓子で、カキツバタが咲き乱れる頃に故郷を思って詠んだ歌の最初の部分である「唐衣」からこの菓子銘が決まりました。

毎年この唐衣をつくる時期がくると、30年前にタイムスリップすることになります。

楽しかった思い出、辛く苦しかった思い出が昨日のことのように思い出されます。

私にとっての修行時代は辛く苦しかった思い出がほとんどを占めます。毎日逃げ出してしまいたい思いを持ち続けながら、なんとか卒業までこぎつけました。挫けそうになったことなど数えきれません。

しかし面白いもので、長い時に経るとそんな苦しみもいい思い出へと変化していることに気づかされます。

辛抱、我慢などを苦心しながら乗り越えて、現在の自分自身というものが形成されたことを思うと、末富に対する感謝の念しか残りません。

それが修行というものであったのだろうと、修行を卒業して随分たってからわかるものなのです。

この唐衣をつくりながら、「末富の仲間たちは今どうしているのだろう?」とか、「旦那さん、奥さんはお元気でいらっしゃるのだろうか?」などと色々思い巡らせてはいるのですが、臆病な私は「お元気ですか?ご無沙汰しております。」というごく簡単なご挨拶のお電話をかけることにも躊躇してしまっています。

80歳を超えた旦那さんに久しぶりにお会いしたいな。奥さんの厳しい中にも愛情があったあのお声を久しぶりに聞きたいな。

こうしておはなししましたように、唐衣は私をセンチメンタルな気持ちにさせる和菓子なのです。

今日の私の頭の中には旦那さんの旦那さんだけが持つ特別なイントネーションで言う「からっころも〜」と言う声が鳴り響いています。(これは私たちの修行仲間の中では思い出話の一つとなっています。)

新型コロナウイルスが落ち着いたら、京都まで行こう!そう決めた日曜日の朝です。