松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



バトン

昨日は父が会合、次女と三女は二人で東山動物園に出かけていて、夜ご飯は母と二人でした。

はっきり覚えていますが、母と二人っきりで食べた夕飯は三、四年前に行った焼肉屋さん以来のことです。

夕飯は私が味噌煮込みうどんをつくりました。

二人でビールを飲みながら楽しく語らい合った幸せの夜でした。

母は私たち三兄弟が小さい頃から世界中のどんなお母さんよりも深く、熱い愛情を持って育ててくれました。

決して余裕のある精神状態ではなかった母でしたが、海よりも深い愛情を持って育ててもらった事は死ぬまで忘れません。

母が私に与えてくれた愛情はそのまま娘たちにも注がなくてはならないもので、それがしっかりとできた暁には私の孫へと同じようにしっかりと伝わるものであると思います。

愛情、教育、思想などは親から子へ、子から孫へと受け継がれるものです。

先日、松屋長春のブログを読んだ娘から「らっきょうが出来たら私の家に送って欲しい」との依頼があったので、昨日出来上がったらっきょうを東京に送りました。

思い出のよしこさん(おばあちゃん)のらっきょうです。



このらっきょうは祖母の味を思い出しながら毎年私が一生懸命つくったものです。結局のところ、私が幼過ぎて祖母から直接教えてもらうことは叶わなかったのですが。

和菓子づくりも料理もこのらっきょうも、この先娘へとバトンが渡されることと思います。

両親が私たち息子にしてくれたように、海よりも深い愛情と情熱を持ちながら娘たちにこれからも接していきたいと誓った夜のことでした。

現代の私たちにぴったり

先日、羽二重餅の焼印「巻水」のご紹介をしました。

ご紹介した際、水の焼印の図案は他にもございますとおはなししたことと思います。

羽二重餅の焼印を「巻水」から「青海波」へと変更しました。

青海波は「せいがいは」と読みますが、私の修行先である京都の末富では「せいかいは」と読んでいました。おそらくではありますが、どちらの読みでもよろしいのではないかと思います。



鱗のように見えなくもない波の紋様を3つ積み上げた図案となっています。

この青海波紋様は古代ペルシャから伝わってきたとされます。シルクロード伝いに渡ってきたのでしょうか。

日本に伝わり、その後国内に広まったのは平安時代の事と言われています。

そのうちこの青海波紋様には意味が付いてくるようになりました。

それは

無限に広がる穏やかな波に未来永劫と、平和な暮らしへの願いを重ねて」

であります。

穏やかな海の姿を波立つことのない平和な世の中に重ね合わせたのでしょう。

とてもステキな意味合いをもらったこの青海波紋様は現在では吉祥紋様の一つとして数えられています。

新型コロナウイルスをはじめ、毎年天災にも悩まされ続けている現代の私たちにぴったりの紋様だと思いませんか?

青海波紋様の焼印は、そんな願いを込めながらこの先しばらく押し続けていきたいと思っております。

願いの短冊

色々な色合いの願いの短冊を抱き込ませ、夏の生菓子が出来上がりました。



今年の七夕は新型コロナウイルスの影響で自粛の動きが全国各地でも広がっていると思います。

とても寂しいことですが、希望の光だけは灯し続けていたいものです。

「来年こそは天災もなく、新型コロナウイルスも収束し、平穏で素晴らしい一年になりますように」

今年、短冊に願いを書くとしたら私はこう書きたいと思っています。