松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



親指ラーメン

久しぶりに提供時に親指が浸かったラーメン屋さんの事を思い出しました。




昔よく行ってた屋台ラーメンの店主のおばさんは必ず親指がラーメン鉢にしっかり浸かってたものです。




私が「おばさん、親指入っちゃってるよ!」




なんて言うと、




おばさんは「大丈夫だいじょうぶ。全然熱くないから」




熱くないラーメンってあかんやろ。。。




それに指が浸かってしまってることを私は言ったのに。。。




そう思ったものでしたが、それがどこか愛らしくて私はそんな屋台ラーメン屋のおばさんの事が大好きでした。




悪い意味で言いますが、人の揚げ足を取る事が日常茶飯事のいま、何かちょっとでも悪い事があると一斉に寄ってたかって人を攻撃する世の中に少し辟易している自分がいます。




みんながもう少し優しい気持ちで、大きな心で、ユルいリズムで構えていたなら、もっと過ごしやすい世の中になっているだろうに。




現在の日本では衛生的にも完全にアウトですが、それも古き良き時代の人情味溢れる人と人のコミュニケーションであったと、私は懐かしくもあり、とても愛おしく感じます。




足繁く通ったその屋台ラーメン屋さんは今はもうありません。あの豪快で気さくなおばさんもどこにおいでなのかはわかりません。




今日のお昼、三女を連れて近くの中華料理屋さんに行ってきました。








とっても美味しかったんですが、あの親指ラーメンの事を思い出し、センチメンタルな気持ちになってしまいました。




もっとみんなが笑って暮らせる世の中になりますように。