松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



春一番

暴風と言えるほど風が強く寒い朝です。




夜明けとともに洗濯をして服やタオルを干したのですが、あまりの風に飛ばされそうになりました。




これが「春一番」というものでしょうか。そうだったらいいのですが。




松屋長春の「草餅」の販売もあと一カ月を切りました。








「草餅」は、暖かくなってくるに従って次第に遠のいていく和菓子の一つであります。




残りの期間、変わらず愛していただけましたら嬉しいです。




先日、名古屋へ赴いたのですが、名古屋駅すぐのところに桜の木を見つけました。








あんなところにこんな美しい桜。咲いていたかな。




この夜桜もとても美しかったです。




この大風で舞い散ってしまいませんように。

ホンモノ

今日は「わらび餅」にまつわる、少し興味深いお話をさせていただきます。あまりご存知の方はいらっしゃらないかもしれません。




随分前のことになりますが、お茶席を担当される先生から「本蕨粉(ほんわらびこ)を分けてくださいませんか?」とのご依頼がありました。




松屋長春のわらび餅が本蕨100%であることを先生がご存知だったのかは分かりません。ただ、そうお願いされたのです。わらび餅は全国的に人気がありますが、ホンモノの本蕨粉を使っているところは実はそう多くないのかもしれません。




「どうしてご必要なのですか?」とお尋ねすると、先生はこう仰いました。




「私は扇子づくりを生業としています。本蕨は扇子の骨と紙を接着する糊として使うのです。」




ものすごく驚いたのは言うまでもありません。




わらび粉は和菓子にしか使わないものだと、勝手に思い込んでいたからです。




先生はさらに続けて、「扇子だけでなく、日本人形の胴体の部分などにも接着剤として使いますよ。」と教えてくださいました。




日本の伝統工芸品は現代の便利な接着剤に頼るのではなく、昔ながらの“ホンモノ”を使い続けています。その事実を知り、なんとも言えない嬉しさを覚えた次第であります。




松屋長春の「わらび餅」、本日も出来上がってお店に並びました。









夜桜

昨日一日だけ松屋長春はお休みをいただきました。




本日よりまた一週間、張り切って仕事いたします。




営業日なので本来ならば和菓子のご紹介をするところなのですが、桜があまりに綺麗だったので今日は桜のお写真だけでお許しくださいませ。












最初の二枚は日曜日の夜に見た夜桜の写真。後の二枚は先週金曜日に隣町の一宮市まで配達へ行った帰り、公園の桜が綺麗だったので少しだけ時間を割いて撮ったものです。












昼も夜も桜は綺麗ですが、薄暗い中にあの輪郭だけがやわらかく浮かび上がる感じが私はたまらなく好きです。




白とも、淡い桃色ともつかぬ曖昧な色合いが、かえって想像をかき立ててくれるから。




目にしっかりと焼き付けたこの感覚を和菓子にも投影できたらいい。そんな風に思っております。